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2017.02.19放送分
【新中央工業株式会社】
ニーズに応える多彩な金属加工と表面処理技術
樹脂の表面が金属に!?金属のミライがカワルHVOF溶射
精密機械加工、精密研磨加工、スプリング、プレス加工から各種表面処理、バリ取り(※1)、自社商品の製造販売まで。加工から仕上げ、製品まで、金属加工を一から十まで手掛ける新中央工業。取り組む技術範囲は広く、試作から量産対応までお客様の課題に幅広く対応している。
HVOF溶射(※2)は緻密で密着性に優れた超硬合金皮膜を形成する表面加工技術である。高速フレーム溶射とも呼ばれ、燃焼ガスによる超高速の噴流を作り、溶射材料を溶融・加速することで皮膜を形成する技術である。非常に硬い皮膜となり製品の耐磨耗性、耐薬品性、耐候性などが期待できる。
当社によれば硬質クロムメッキの代替強化として活用したところ、硬質クロムメッキで4ヶ月使用してムシレが発生していた部品をHVOF溶射に置き換え、2年以上使用しても異常が見られないなど、耐摩耗性が高く、耐久性に優れた加工処理であるという。航空機分野特有の資格“Nadcap” (※3)も取得した技術であり、高い品質管理体制のもとに加工している。
注目は樹脂の表面へのHVOF溶射。軽量高強度樹脂である炭素繊維複合材(CFRP)にも加工でき、表面を充分に硬くすることを可能とし、軽量化を図りたい金属部品等の代替部品への利用が期待される。
その技術ミクロン単位!金属表面の科学研磨「SEP処理」
SEP処理(※4)は化学反応によるバリ取り技術である。金属全般に対応でき、研磨加工と同じような効果を得られる。ポイントは極小穴の内部まで磨くこと。化学反応によりバリを取るので、物理的外力がかからず、液体の進入出来るところであれば端部をきれいに均一に滑らかにしていくことができる。寸法変化はミクロン単位で管理でき、表面粗さの向上(材質により粗さをより粗くすることも可能)と精密洗浄としても活用できる優れた処理となる。
形状が複雑な部品、深穴やパイプ材の内面など、細かいところまで手が届く磨き処理。
新中央工業の技術は医療機器から航空機部品、自動車、家電、装飾品など幅広く活用のできる様々な可能性が広がっていると考えられる。
(※1)バリ取り:材料を切ったり削ったりした際に材料の角にできる出っ張り(バリ)を取り除くこと。
(※2)HVOF溶射:溶かした超硬合金(タングステンカーバイト)を吹き付け、素材の表面部分をコーティングし、強化する技術。
(※3)Nadcap:米国のNPOであるPRI (Performance Review Institute)が審査機関として運営している、国際航空宇宙産業における特殊工程や製品に対する国際的な認証制度。
(※4)SEP処理:製品を特殊な液に浸漬し表面を溶解させバリを取り除く技術。
会社情報
- 会社名
- 新中央工業株式会社
- 業種
- 金属加工・表面処理
- 事業内容
- 機械加工・プレス加工・バネ加工・研磨加工・アルマイト処理・SEP処理・HVOF溶射
- 従業員数
- 60人
- 所在地
- 本社・八本松工場 広島県東広島市八本松町宗吉1051
- お問い合わせ
- 082-427-0217