広島地域 8ch

毎週土曜日 朝11時35分放送(土曜日 深夜再放送中)

独自の価値を創造する企業をテレビ新広島とTSSプロダクションが総力取材

放送内容 過去に放送した番組をご覧ください。

2018.01.14 O.A.

Impossible Dream 追求し続ける独自工法

株式会社タケウチ建設
ローコストを目指す建設企業

三原市中心部を流れる、沼田(ぬた)川沿いにあるマンション。
その中にあるのが、タケウチ建設です。
ショッピングモールや工場といった中規模の建物や、住宅を手がける企業です。
平均年齢は31歳。
しかも、社員の1/3が女性。
社員1人あたり年間の売上高は、約1億円にもなると言います。
「基礎と鉄骨を抑えるのがローコスト。
 外壁・内壁・天井で抑えるのはローコストとは言わない。
 安くしていいものを生み出す。
 いいものがコストのかからないことにつながらないといけないと思う。」
と社長は語ります。

独自技術、TNF工法

安心・安全を追求しつつ、ローコストを実現する。
そのために、1987年に、竹内社長によって生み出されたのが、TNF工法。軟弱地盤に対して、杭に頼らずに建物を建てる特許技術です。
一般的には何十メートルもの杭を打つ必要があるような店舗の工事に於いても(左図)、TNF工法の場合には(右図)、建物下を2〜3メートル地盤改良するだけで建物を支えることが出来るのです。

TNF工法の工程 その1

TNF工法は一次地盤改良と二次地盤改良の二段階の工程を経て、工事を完了します。
一次地盤改良では、地面をすきとり、固化材を散布。重機を使って土と混ぜ合わせて行きます。
固化材が混ざることで、地面がコンクリート状になります。
この工程を繰り返すことで、一次地盤改良が完了します。
TNF工法は井桁状に改良体を作ることで地面をつかみとり、より安定した状態になります。

TNF工法の工程 その2

一次地盤改良が終わると、作業に使用したスキトリ部分を埋め戻し、再び固化材を散布して、地面を撹拌。
二次地盤改良の完了です。
コンクリート状になった表面をカッターで切り取り、掘削。
TNF工法ならではの、独特な基礎が完成するのです。
「一般的な杭工法は点で支持することで支持層に到達。
 TNF工法は面で支持することで力を分散出来るので建物を支持出来る。」
と建設部課長、高尾さんは語ります。

特許技術を軸にしたビジネスモデル

タケウチ建設はTNF工法を始め、独自工法で特許を取得。
「知的財産を中心にした囲い込み。
 他社にないものは何かを問うてきた。
社長は自社のビジネスモデルを、そう語ります。
さらに減震性能をアップする、T-BAGS(ティー・バッグス)減震工法も開発。
砂の入ったポリプロピレン製の袋を二段に重ね、地震が来た時に、一段目と二段目の間が滑り、地震力が建物に入るのを低減する技術です。
タケウチ建設はT-BAGS(ティー・バッグス)減震工法でも特許を取得しています。

海外へと展開する特許企業

タケウチ建設は、もうひとつ、特長がありました。ナント社員の1/4が海外出身なのです。
ベトナム出身が13人、中国出身が3人、ミャンマー出身が1人。(2019年1月現在)
海外出身の社員が多い理由に、東南アジアへの事業拡大がありました。
ベトナムを中心に展開出来るよう、ベトナム国籍の社員を日本で育成。
現地法人の設立を推進しています。
2020年11月に、30周年を迎えるタケウチ建設は、オンリーワン技術で成長を続けます。

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今回のテーマ『温故知新から知新へ』

軟弱地盤の改良にかかるオリジナル技術を軸に技術革新に取り組むタケウチ建設。

『皆様のお役にたてますように!』
ローコストをキーワードとして、知的資産を武器に「安全・安心」な建物の建設を実践している。また、これらの技術を海外にも普及させるべく、東南アジアにも拠点を置き、 技術者の育成を進めている。
竹内社長からわかりやすく新工法と事業への思いを話して頂いた。
今回のポイントは『温故知新から知新へ』と考えた。

設計業務から創業し、新商品開発を進めたものの不調に終わる危機を乗り越え、今は財務体質とオリジナル技術での事業を確立しているとのこと。
民間もお役所も「お役に立つこと」は事業において必須である。どうやってお役に立つか。
タケウチ建設ではローテク・ローコストに注目する。VTRで紹介している技術は、従来からある建設機械や技術で施工可能で、特別な専用機器を必要としない。注目すべきは新しい特許技術の構造と設計手法にあり、軟弱地盤を対象として中層施設を狙うニッチ市場への展開である。工期も短く妥当な施工価格にすることが望まれる。そこで工法は新しくても使うものは以前から使われているもので作っていく。一番やりにくい場所で以前の技術を使いつつ、そこにある建物とそのオーナーや利用者が喜ぶコトを提供する。
国内で喜ばれているものは、当然海外でも喜ばれる。東南アジアは軟弱地盤が多いことから、現在海外での建物建設を進めるべく展開を図る。外国籍社員へ技術習得も進めている。
次は工法の最適化にある。軟弱地盤とはいえ、地域によって地盤は固さから地層構成、地震の伝わりやすさなど条件は変わる。そこで地震などのデータを基に、その地域にあった地盤基礎と減震構造設計値の最適化をシミュレーションにより設定する手法を取り入れている。

『温故知新から知新へ』
以前からある技術を知恵により新しい組み合わせを考え、さらに最新の技術を取り入れてより早く確実な製品を提供する。
当たり前のことのようでそうじゃない方法は、お客様にとってお役に立つコトなのである。
企業情報
会社名

株式会社タケウチ建設

業種建設業
事業内容・軟弱地盤への基礎工法である、TNF工法、その他特許工法の現場管理
・店舗・工場など様々な種類の建物についての構造・意匠設計
代表者代表取締役 竹内謹治
所在地広島県三原市円一町4丁目2番14号
お問い合わせ0848-60-1331
ホームページhttp://www.takeuchi-const.co.jp