2023.01.21 O.A.
技術を極めて新事業を切り拓け!
今日、ご紹介するのは、電気に関わる仕事。
これがないと、発電が出来ないんです。
それは蒸気配管を始めとする、発電所用の配管。
火力発電所では、石油や石炭、天然ガスを燃やして蒸気を作り、タービンを回して発電します。
タービンまで蒸気を送り届けるのには、頑丈な配管が必要です。
こちらの企業では、40年〜50年経過しても壊れないような配管を製造しています。
呉市にある、株式会社サンワテクノス。
扱う配管は、最小が直径15ミリ、最大だと直径1メートル。パイプの厚さが、10センチを超えるものもあると言います。
大手電力会社、バイオマス発電、ゴミ焼却発電、工場の自家発電など、取引先はおよそ1000件。
サンワテクノスは日本全国の発電所と取引をする企業なのです。
発電所に使用される配管は、「電気事業法」という法律で、厳しく管理をされています。これは暮らしを支える電気設備の、保安のために定められたものです。
発電所には、熱源となるボイラーや、発電機を動かすタービンといった、たくさんの設備があります。配管は、設備を迂回するルートで設置されるために、何度も折れ曲がった、複雑な形状になります。
ルート通りに、配管同士をつなぐ作業が、「継ぎ手の溶接」です。
1ミリにも満たないズレでも、つなぎ目から蒸気が噴出して、大事故になる可能性があります。
約600度、約400気圧に耐える溶接。
それがサンワテクノスのコア技術なのです。
これまではユーザーから提供されたベース図面から寸法・溶接の仕方など、工場で製造するデータを作成していました。
しかし3DCADの導入で、機器の間をつなぐルート設計も引き受けるようになりました。
そうすることによって、設計・配管のものづくり・現地施工まで、サンワテクノスがワンストップでまかなえるようになったのです。
これまではしていなかった業務に挑戦することが、業務拡大に繋がっているのです。
溶接技術の追求は海外進出にも繋がりました。
台湾に構えた工場で、洋上風力発電の架台の製造に着手。架台を造る溶接と、配管の溶接が、同じ技術だったのです。
ひとつの技術を追求することは、会社の未来にもつながることなんです!
今回のポイントは、“インフラを支える技能の継承”
―溶接ってどこが面白いかー
強い光とバチバチと火花が飛ぶ作業は危ないというイメージがある溶接。
現場は安全な作業に向けて厳しい管理の中で事故がないように管理される。
このような中で、船、配管、タンク、鉄骨構造物など生活を支える設備機器になくてはならない重要な作業が溶接である。
機会があれば溶接部分をいろいろとみてほしい。
優れた溶接工のビードと呼ぶ溶接部は誠にきれいで芸術的だ。
体を正確に動かすことにより均一で無駄のない盛り上がり。色も美しい。
長行事社長曰く、きれいなビードは欠陥もなく検査にも何ら問題なく、
その達成感が職人魂を震わせることにつながる。
サンワテクノスの製品は特注品で、工場で作るだけでなく現場施工も多い。
場所によっては難しい姿勢で溶接することもあるが、
どんな所でもきれいに仕上げることが自社の使命と自負する。
―きれいなビードができるまで大変ではー
溶接にはその工事や製品によって必要な資格が複数ある。
サンワテクノスが主力とする発電設備においては電気事業法で定められた資格が必要で、数年かけて取得する。技能習得のために職場の社員同士、先輩後輩ともに協力し合い教えていくことを大切にしている。
安全で安心な職場を目指し、社長と社員が近い家族のようなアットホームな雰囲気、チームワークでみんなで気遣うことで不安全行為を抑えて事故を未然に防いでいる。
女性の溶接工もおり、活躍しているそうだ。
―エネルギー産業の中にあってこれからどう進展するのかー
サンワテクノスは国内需要の対応から、海外への発電施設への展開を図っている。
台湾に拠点が有り、原子力・火力だけでなく風力発電設備も手掛けており、新しい需要を取り込んでいくとのこと。これからも新しい発電設備の仕組みに対応できるよう、そしてインフラを支える技能を継承する仲間を増やしたいそうだ。
呉海軍工廠として使われていた工場を今も使うサンワテクノス。
美しい溶接を観に一度呉を訪ねてみてはいかが?
会社名 | 株式会社サンワテクノス |
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業種 | 製造業 |
事業内容 | プラント配管の製作・設計 |
代表者 | 代表取締役 長行事義人 |
所在地 | 本社 広島県呉市築地町6番5号 昭和工場 広島県呉市昭和町6番10号 台湾工場・台湾三和技術服份有限公司 中華民国屏東縣潮州鎭太平路101号 |
お問い合わせ | 総務・経理(0823)22-3131 |
ホームページ | https://www.sanwa-technos.co.jp/ |