今回のポイント「新商品の広げ方」



―いろいろなものを提供する会社ですね―



　大薮社長に多岐にわたる製品がなぜ生まれていったか、いろいろと伺った。

縫い針から始まり、文房具、手芸用品、キャンプ用品、玩具、家庭用品、園芸用品そして食品…　広島県内にこれだけ色々扱うメーカーはなかなかおられない。

　やみくもに新商品を広げていったのではなく、お取引先と強固な関係、課題に挑戦する体制、課題を解決する提案力がポイントになる。



―新商品の広げ方　が大切なんですね―



　新商品の広げ方にはいくつか考え方があるが、自らがこれだ！　と閃いて開発すること、お取引先からやってみないか　と言った投げかけ、困ったことがあるのだけど何とかならないか　といった相談。

どれも会社の状況や取引先などの関係により変わっては来る。

　八千代工業の場合、全部応えた結果、いろいろと扱い商品が増えたそうだ。

新商品は2010年頃から増えていき、同時に営業も兼ねた商品企画やデザインを担当する社員も増えて、アイデア製品ラインナップが豊富になっている。

　ステープラーの針は縫い針が作れるなら別の針も作れるでしょという無茶振りから、燃料を作ることになった発端は余った材料が何とかならないかという相談から。

それにこたえることでニーズや世の中の課題にあった製品が生まれていく。

販路があるので売れていくこととなる。



―要望に全部応えたんですか。倉庫も出荷も大変ですよね―



　むっちゃたいへんだそう。これが八千代工業のノウハウであり、

事業としては面白いところだそうだ。

倉庫にはベテランの中途社員、外国人など様々な方が力を発揮してくれている。

物流も、ものづくりと一緒で機械化や人と協働する半自動化などを駆使して

労働不可と生産性をいかに高めるか、調達と供給のバランスを考えて行くことは社内でも重要な業務となっている。

　消費者が買ってくれる商品づくりも大事だが、作るところ売るところまで届かなければ収益にはならない。

商品を企画する、作るだけでなく店舗へ確実に届ける、タイムリーに出荷する。

これがすべてうまく流れることで会社は支えられている。

八千代工業はその活動が輸出入も含めて一貫しているところがすごい。



―まだまだ新しい商品が出そうですね―



　大薮社長はこれからはもっと世の中に役立つ、資源や環境を踏まえ、

利用者に選んで使ってもらえる優れたデザイン、付加価値の高い商品を考え、それに共感する人や企業が八千代工業に集ってもらいたいとお考えだった。

新商品の広げ方に長けた八千代工業の発展に期待したい。