2011.12.11 O.A.
素材100%の新食材が食の未来を変える!
広島県呉市川尻町にある有限会社・瀬戸鉄工。鉄工所でありながら、売り上げを伸ばしているのが食品事業部門です。その原動力となっているのが『瞬間高温高圧焼成法』と呼ばれる、独自の食品加工技術です。食材に60tの高圧プレスをかけ、一瞬で均一の焼きを入れる技術です。 この技術を使った食材加工は、素材が持っている旨味成分を丸ごと凝縮。つなぎなしの原材料100%の加工食材(フレークやパウダー)に生まれ変わります。 原料が組織レベルで粉砕され多孔質状となっているため、「あご・いりこ・カツオ・カキ」等の出汁にした場合、凝縮した旨み成分を、より早く、濃く抽出することを可能にしました。特に優れた点は、お湯以外に、水の状態でも出汁の旨味が抽出できるようになった点です。
食の本場フランスにアピールしてきた新食材は、2010年「SIAL2010パリ国際食品見本市」において、トレンド&イノベーションの評価を受け、日本の食品会社で唯一カタログに掲載されました。本場のシェフも、瀬戸鉄工の加工食材を使った「出汁パック」等、その調理活用法を認めてきました。2011年本格的に新食材の流通を開始、「ゆず」「しいたけ」「あずき」「昆布」等今後の新調理法の活用に期待が寄せられています。
今、全国で未利用資源の活用が求められています。瀬戸鉄工が加工する新食材のパウダーやフレークは"魔法の新食材"と呼ばれ、企業や地方自治体、大学・研究機関などと年間100例以上の食材開発を可能にして来ました。 県立広島大学生命環境学部の武藤教授も、栄養素やビタミンが失われにくい瞬間高温高圧焼成法技術に注目してきました。教授が今力を入れているのが、この加工技術を使った庄原市の地域資源開発です。近年、家庭の食卓でも人気の高い野菜トマト。しかし、トマトは水分を多く含んでいるため、加工方法も限られていました。瀬戸鉄工の技術で、100kgのトマトが4kgのフレーク加工食材となり、25分の1に旨味成分を凝縮。長期の保存が可能となり、少量で多くの栄養素が取れるため、スープなど新しい調理法への応用が期待されています。
一般家庭で自由に楽しめる自社商品"アイパレット"を開発。人気の野菜8種類から好みに合わせて5種類を選ぶことができ、お味噌汁やスープ、お粥やサラダ、スィーツに気軽にトッピングして楽しむ事ができます。このフレークやパウダーを使うと、子供でも手軽に野菜のケーキを作ることができます。自分達で作ったお菓子で、野菜本来の"旨味"や"香り"を体験。家庭でできる食育の、スタートとして注目されています。
日本最大の淡水湖『琵琶湖』。その生態系を荒らす外来魚ブルーギルは、環境問題になっています。しかし、良質のたんぱく質やビタミンが豊富なため、食材としての活用法が求められてきました。そこで注目されたのが、骨から丸ごと加工ができる瀬戸鉄工の技術。今回の依頼は、京都市で高齢者介護福祉施設を運営する社会福祉法人。その理事長・森京子さんは、管理栄養士として琵琶湖のパワーフィッシュ、ブルーギルに注目してきた一人です。特に、老化を防ぐアンチェイジング(老化予防)食として、栄養の分析や、調理法の研究に取り組んで来ました。瀬戸鉄工の加工技術と出会い丸ごと加工されたブルーギルは、色々な食材との組み合わせを可能としました。ごはんにかけるだけで、ブルーギルの栄養素を丸ごと食べられる「ブルーギルの緑黄色野菜ふりかけ」を試作。一物全体食として、今後の幅広い活用法が見えてきました。
情熱企業 TSS テレビ新広島 有限会社 瀬戸鉄工 ブルーギルが丸ごと凝縮されたパウダーは、食事の量の少ないお年寄りにとって、優れた栄養補給の手助けとなります。このパウダーを使って、塩を使わない、ブルーギルのハンバーグやテリーヌの試作料理が完成。やわらかい「ソフト食」として手軽に調理ができ、介護食としての広がりが見えてきました。1回で食べられる量の限られた高齢者の食事量として、「ブルーギルのつみれ」と「しらす干し」で比較した結果でも、カルシュウムが豊富で塩分量を控えることができ骨折と高血圧予防に良い効果が期待されています。瀬戸鉄工の新たな挑戦が、食の未来への扉を開きました!
会社名 | 有限会社瀬戸鉄工 |
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業種 | 製造業 |
事業内容 | 樹脂成型、食品加工、食品、調味料等の製造・販売 |
従業員数 | 35名 |
年商 | 3億4,500万円 |
所在地 | 広島県呉市川尻町上畑1068-4 |
お問い合わせ | TEL: 0823-87-4147、FAX: 0823-87-3748 |
ホームページ | http://www.yakiiriko.com/ |