2014.09.28 O.A.
切削技術の追求から生まれた新たな自動車部品の専用工作機械
表面を削るフライスや穴をあけるドリルといった、金属を加工する切削は、工具と材料が熱で溶着しないよう、大量の切削油を使用します。
しかし大量の切削油を送り出すには、強力なポンプが必要で、その電力は、工作機械の半分を占めていました。また使用後の切削油は、焼却処分しなければいけません。
こうした課題をクリアしたのが、乾式切削システム「iMQL」です。
「iMQL」を駆使して、自動車部品を加工する専用工作機械を製造する企業が、福山市のホーコス株式会社です。
昭和の初期から工作機械を手がけ、昭和35年に自動車部品の工作機械製造に参入。さらに昭和45年、工場内の空気を浄化する、集塵装置の製造を皮切りに、環境改善機器部門を設立。ホーコスは、加工精度の追求だけではなく、環境をも考える企業になったのです。
そんなホーコスにとって、切削油は、ひとつの課題でした。
切削油には、工具と材料の間に発生する、摩擦を抑制するとともに、削りだされた「切りくず」を排出する働きがあります。切削油を使用しないと切りくずが溶けて、工具と材料が溶着してしまうのです。環境に優しくないと知りながらも、能率を上げるには、切削油を使うしかなかったのです……。
平成6年、切削加工の改善に取り組み始めます。
切削の中でも、穴の奥で切りくずが生成されるドリルは、刃物自体が阻害して切りくずが出てきません。この切りくずを排出するためには、切削油が必要でした。
そこで、切削油の量を、最少量にすることを考えたのでした。
そこで先端に穴が空いたドリルを採用。穴から切削油を放出する製品です。課題は届け方でした。通常に届けると、大量の切削油になってしまう所を、いかにして「最少量」で届けるか?そのために、ドリルの主軸内で空気と切削油をミックスして、切削油を霧状にしました。 この霧状のものを、ドリル先端から放出することによって、「最少量の切削油」による、切削が可能となったのです。
ホーコスは、この技術で特許を取得。アメリカ、ドイツ、韓国といった海外でも特許を取得しました。 ホーコスの自動車部品 工作機械は、これまで、日本の工作機械を導入したことがなかった、フォルクスワーゲンに採用されることが決まっています。新技術を追求し続ける企業像が、そこにはありました。
会社名 | ホーコス株式会社 |
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業種 | 製造業 |
事業内容 | 工作機械・環境改善機器・建築設備機器等の企画・開発・製造 |
従業員数 | 716名 |
年商 | 229億円 |
所在地 | 〒720-0831 広島県福山市草戸町2-24-20 |
お問い合わせ | 084-922-2600 |
ホームページ | http://www.horkos.co.jp/ |