2009.11.22 O.A.
匠の技で地域貢献 オリジナル形状のナンバープレート
大正3年創業の『巣守金属工業株式会社』。こちらでは、自動車のナンバープレート製造を手掛け、広島ナンバー、福山ナンバーはこの会社で生産。 また、西日本を中心に、これまで632市町村の原付バイクのナンバープレートの受注・生産を請け負ってきた。
法律で決められた規格の中で生産されるナンバープレート。しかし、2007年、原付バイクのナンバープレートに変化が訪れる。 地域活性化や観光振興を目的に、愛媛県松山市が全国初となるオリジナル形状のナンバープレートを導入。 雲の形をしたそれは、司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」からイメージしたもの。松山市は小説の主人公、秋山好古・真之兄弟と正岡子規の出身地なのだ。 『巣守金属工業』は全国で第一号となるオリジナル形状のナンバープレートを製作。 これをきっかけに、翌2008年、静岡県御殿場市など12の市町村で導入された富士山型ナンバープレートを手掛けることとなった。
そして2009年、広島県では初めて尾道市がオリジナル形状のナンバープレート交付を決定する。瀬戸内の波の上を行く渡船をイメージしたデザイン。 その具現化には、通常のナンバープレート製造では使用されることのない技術が必要とされた。 ひとつは波模様の印刷、もうひとつはナンバープレートの縁の部分の「絞り」と呼ばれる特殊加工。 まず、波模様には、シルクスクリーン印刷の技術を用いた。実は、ナンバープレート製作の他に、シルクスクリーン印刷の技術を保有する『巣守金属工業』。 保有する技術を組み合わせ、ひとつめの難題を解決。そしてもうひとつの難題、「絞り」に取り掛かる。 国内外を問わず、「絞り」加工を施したナンバープレートなどお目にかかったことがない。 プレス機にかけると、プレートの表面に貼られた反射フィルムに傷が入ってしまう。どうすればこの傷が消えるのか? その答えを出したのは、長年に渡りナンバープレートを製作してきた『巣守金属工業』の技術者だった。 職人的技術と勘で、反射フィルムに傷がつかない微妙な角度を、手で削りながら探りだしたのだ。 柔軟な発想で、"技術の組合せ"と"技術者の経験と知識"が作りだした、オリジナル形状のナンバープレート。 『巣守金属工業』の技術は、まちのイメージを形にするナンバープレートとして、全国の自治体から注目を集めている。
会社名 | 巣守金属工業株式会社 |
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業種 | 製造業 |
事業内容 | 自動車ナンバープレート、原付バイクナンバープレート、各種銘板、看板・サイン・標識類、シール・ステッカー ※フィリピン共和国ナンバープレート国産化に国際技術協力 |
従業員数 | 40名 |
年商 | 6億6千万円 |
所在地 | 広島市南区出島1丁目34番7号 |
お問い合わせ | 082-251-8307 |
ホームページ | http://sumori-metal.com/ |