2015.09.27 O.A.
自然の恵みを活かす
中国山地を源に、山口県岩国市へと注ぐ錦川。夏のアユなど清流として知られています。
その上流にあるのが、岩国市錦町(にしきまち)です。
古くより蒟蒻芋の栽培と、こんにゃく作りが盛んに行われてきました。
「こんにゃく」の産地として、山口県に指定されています。
「こんにゃくづくり」の伝統を受け継いでいるのが錦町農産加工株式会社です。
板こんにゃくや、糸こんにゃくなどのこんにゃく製品を年間およそ1,000万個製造し出荷しています。
その始まりは明治38年。錦川を使い、川舟で岩国市までこんにゃく芋を運んでいたそうです。
廣兼社長は「こんにゃく作りで一番大事なのは水。こんにゃくは水分が97%あるから絶対に水が大事です。」といいます。錦町農産加工は、全国名水百選に選ばれた寂地川を源流とする錦川が流れる場所にあります。美しい水のなかでも、さらに良質の水を求めて水源を選び、地下深くから汲み上げた水を使用し、こんにゃくを作っています。また、この名水を使いミネラルウォーター「にしきのおいしい水」も製造しています。2012年にモンドセレクション最高金賞も受賞。ミネラルのバランスの良い、含有カルシウム分に富んだまろやかなおいしい水です。さらに、大手メーカーと提携し水素水も製造しています。
創業以来100年以上の歴史を
重ねてきた錦町農産加工株式会社。そのこだわりは、生のこんにゃく芋を使ってこんにゃくを作ることです。廣兼社長は「一般的には、こんにゃく芋をスライスし乾燥させて、粉末状にします。そのこんにゃく粉を使ってこんにゃくを作っています。我社のように生のこんにゃく芋をすりつぶして作る工場は、全国でも、そう多くはありません。生芋で作るこんにゃくは通常のものより味が良くしみる。」といいます。錦町農産加工では広島県や群馬県からこんにゃく芋を仕入れています。
こんにゃく生芋を使ったこんにゃく作りは製法にもこだわっています。函蒸し(かんむし)と呼ばれる昔ながらの作り方があります。すりつぶしたこんにゃく芋を1時間半熟成。その後、函(かん)の中に、充填し一昼夜かけて茹で固めます。味のしみが良く、独特の食感を楽しめるこんにゃくが完成します。水、素材、製法にこだわったこんにゃくは広島県や山口県のスーパーを始め全国に出荷されいてます。
ヘルシーな食材として注目を集めるこんにゃく。
廣兼社長は「今、世界的に高騰する医療費の問題があります。予防医療としてこんにゃくが見直されたらいい。
低カロリー、ノンアレルギーな食材なので、食生活の改善に役に立てると思います。」といいます。
そこで、昨年、こんにゃく料理のアンテナショップを広島市内に設けました。
ヘルシーなこんにゃく料理を約50種類提供しています。
ご飯は米の替わりに40%がこんにゃく。ハンバーグも肉の替わりに40%がこんにゃくです。
新たなレシピを生み出し料理にあわせた、こんにゃく製品を開発しています。
こんにゃく料理を和食だけでなく、中華料理や洋食にもアレンジして世界に向けて発信しています。
会社名 | 錦町農産加工株式会社 |
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業種 | 製造業 |
事業内容 | ナチュラルミネラルウォーター、こんにゃく製品、ところてん及び、生くずきりの設計・開発、製造及び販売 |
代表者 | 代表取締役社長 廣兼 一昭 |
従業員数 | 約40名 |
所在地 | 〒740-0723 山口県岩国市錦町府谷131 |
お問い合わせ | TEL:0827-72-3357(代) FAX:0827-72-3372 |