2016.03.13 O.A.
地域の食生活を 手軽に、豊かに…
早朝、届いた青果の陳列に追われる店内。この日、山積みとなっていたのはおいしそうなミカンとほうれん草。しかし、そこにあるのは「特価」ではなく「おすすめ品」という表示です。
これは、広島の街で生まれたスーパーマーケット「スパーク」の店内です。最大の特徴は「安い」ものをたくさん売るのではなく、本当に「おいしい」ものをたくさん売る「単品量販」という販売戦略です。
スパークは、広島市の本通に店を構える「長崎屋」のスーパーマーケット部門として始まりました。店舗数も増えてきた昭和53年、株式会社スパークが設立され、今では広島市を中心に17店舗を展開する企業となっています。
「我々が『単品量販』としてすすめる商品がたくさん売れるというのは、それだけ客から信頼されているということ。」と語るのは長崎清忠社長。スパークでは、手頃な価格でおいしい食材を食卓に届けることが地域スーパーの使命と考え、日本だけでなく世界各地から商品を集めています。
「お肉がおいしい」と多くのお客様から支持されている商品のひとつに「アメリカン・ビーフ」があります。「アメリカン・ビーフ」というと、一般的には安いけど固くて美味しくないという印象の商品ですが、スパークでは、アメリカン・ビーフの中でも最高ランクの「プライム」という格付けの商品を扱っているのです。
「アメリカン・ビーフが日本に入った時、多くのスーパーが安売り商材にしてしまったが、アメリカン・ビーフの中にも美味しいものがあり、しかも和牛などに比べると安い。我々は、そういうものを選んできました。」と長崎社長は言います。「手頃な価格で美味しい食材を食卓に届ける。」というスパークの姿勢は、こういう点にあらわれています。
スパークには一つの転機がありました。
大型店舗の進出が相次ぎ、安売りや、スタンプ・ポイントサービスを乱発。競合店にばかりを意識し、目の前にいるお客様に意識がいかなくなった時期がありました。その状況に危機感を感じた時に選んだ道は、ポイントカードを全てやめ、一度、安売りもやめることでした。そして掲げたのは「鮮度アップ・接客サービス・クレンリネス」というスローガン。地域の人々の食をいかに便利に、豊かなものにするか。そのため、店内のレイアウトはすっきりわかりやすくし、安売りではなく「単品量販」の一押し商品を中心に販売するという「地域のスーパーマーケット」として、独自の店舗展開を進み始めました。
定期的に行なわれている新商品の試食会。社長、各店舗の店長が集まり、調理された商品を食べ、意見交換を行います。
「自分たちが食べて美味しいものをお店に並べる。」
野菜や青果、肉、魚など仕入れる食材はもちろん、惣菜ひとつひとつも、手をかけた商品を店頭に並べています。3年前からは、ご飯も自社で炊飯。米もブレンド米でなく、その時々、実際に食べて選びます。こうして炊き上がったご飯類も「おすすめ品」として各店舗の惣菜コーナーに。自分たちが食べて美味しいものが並ぶ店舗では、仕事終わりの従業員が買い物をする姿がよく見られると言います。
「地域の人から『スパークさん』と呼ばれるようになりたい」と長崎社長は語ります。
地域の人から親しまれ、「私たちのお店」と思ってもらえる『グッド・ストア(いいお店)』をいろんな地域に作っていく。そういう「ロマン」の実現をスパークは目指しています。
会社名 | 株式会社スパーク |
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業種 | 卸売業,小売業 |
事業内容 | スーパーマーケット (青果、食肉、水産、惣菜デリカ、日配、食品、菓子、日用雑貨、酒の販売) |
代表者 | 代表取締役社長 長崎 清忠 |
従業員数 | 1,004名(パートナー従業員含む) |
年商 | 172億円(平成28年2月現在) |
所在地 | 〒733-8648 広島市西区商工センター2丁目17-37 |
お問い合わせ | TEL:082-276-4809 FAX:082-501ー4810 |
ホームページ | http://www.spark-net.co.jp/ |