2018.03.18 O.A.
100年企業の継承される技術
広島市安佐南区に本社を置く「株式会社三宅」。
主にバーコード印刷事業とセキュリティ事業を展開しています。
近年、レンタルショップやコンビニでよく見かける
セキュリティシステム。
万引き防止に役立つこちらのシステムも三宅ブランドです。
創業は、1917年。
現在とは異業種の針の製造業としてスタートしました。
創業者・三宅來次郎は、
「これからは海外市場だ」
と中国に支店を開設。
直接、針の輸出を開始します。
創業者が求めるものは、製造技術の向上。
それにより国内トップメーカーに躍進しました。
三宅が培ってきたフロンティアスピリッツはここから始まります。
戦後、二代目が三宅來次郎を襲名。
しかし円高などの影響もあり、多くの同業者が倒産。
針製造の将来に、暗い影を落とします。
そこで現社長の三宅正光が単身アメリカに渡り、
印刷技術を学びました。
この時、彼が着目したのがバーコード印刷です。
創業以来、針の製造技術で培ってきた金型技術と新たに導入した印刷技術を
合わせた画期的なダイカット製法によるタグ。
三宅が開発したダイカット製法によるタグは世界23か国で特許を取得しました。
タグとゲートによるセキュリティシステムで国内シェアNo.1の三宅。
世界で初めてとなるカメラと顔認識機能を組み込み、万引き犯の顔を画像データとして記憶してセキュリティ機能を高めました。万引きは防止から抑止へ。
三宅の技術力のたまものでもあります。
さらに三宅社長は次なる一手を打ち出します。
それが、特殊素材が織り込まれたセキュリティペーパーの開発。
これにより企業や行政が抱える機密文書の漏えいへのセキュリティ機能の強化が期待されています。
セキュリティ機器の開発・販売を行う三宅。
チャレンジ精神にあふれる三宅社長にお話を伺った。
今回のテーマは『時流を見極める』とした。
会社を維持・発展させるためには、
その時代・時流に沿った商品やサービスを投入
することは当然といえる。
三宅社長は物のセキュリティに注目して、
業務を転換し、万引き防止装置から始まる
物の出入りを管理するシステム開発と
そこに付随するラベルタグで事業を確立していった。
注目すべきはシステム機器と対となるタグの特許権を
上手に活用していったこと。
これで海外企業との契約で実施料やタグの供給で企業を成長させた。
しかしながら、セキュリティはものの動きから情報セキュリティに移っていく。
特にオフィスは紙から電子媒体にどんどん移行していった。
しかし、紙は必要であり、紙でなければ、
あるいは紙であるからこそ効力を発するものも依然としてある。
三宅社長は20年ほど前に紙のセキュリティビジネスは行っていたが、
新たに、顔認証やセキュリティぺーパーを開発し、
時流に沿った製品に生まれ変わらせている。
それは海外の企業への導入の方が早い。
そしてその知的財産権を整備し、製品の発展と防衛をしている。
三宅社長の開発は自社にある技術や設備を有効に活用しながら、
培ってきたつながりのなかで事業化を図っている。
応用の範囲はオフィスからカフェにも目を向けた。
情熱企業チームでは弁理士会と『PATやってみた』という番組を作っている。
この中で三宅の技術に注目、その技術を猫の管理に役立てる実験も実施した。
ぜひ見てもらいたい。
今回のテーマ『時流を見極める』とは、社内、社外、次に考えられる市場や顧客の
要求となる“欲しい”に対応していくことだと考える。
全く新しい製品や技術の開発も必要ではあるが、
中小企業は時流を見て自社内でできる技術を考え、
権利を確立し、実行してこそ商品開発は成功する。
会社名 | 株式会社三宅 |
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業種 | 製造業 |
事業内容 | 各種不正持ち出し防止システム販売、セキュリティラベルの製造・販売、監視カメラシステム販売、RF-IDシステムの開発・販売、オリジナル商品の商品開発・販売、顔認識エンジン搭載i-Gate |
代表者 | 代表取締役 三宅正光 |
従業員数 | 20名(グループ全体70名) |
所在地 | 広島市安佐南区沼田町大塚151-362 |
お問い合わせ | 082-225-7100 |
ホームページ | http://www.miyake-sec.com/ |