2020.02.23 O.A.
木材にこだわったものづくりで信頼と実績を積む
全国的なナショナルチェーンなど名高い店舗の施工を手掛ける企業が、広島県福山市にあります。
その企業は、「株式会社 共栄店舗」。
一般建築・店舗事業を手掛け、「共栄ホーム」「キョーエイファニチャー」「キョーエイネクスト」を関連会社に持つグループの中核となる企業です。
代表取締役社長の織田誠爾(おりたせいじ)さん。共栄店舗の原点とは?
「我々の原点は、木材にこだわったものづくりの企業だと思っています。いわゆる家具を中心に木の温かみを内装に生かしながら実際に職人さんを抱えて加工しながら塗装もして、ものを作って、本当に職人魂が根付いている会社だと、これがわが社の原点であり、強みじゃないかなと思っています。」と織田社長。
共栄店舗の創業は1956年。
小さな木工所で家具づくりからスタートし、オリジナルのいすや机を作っていました。
その後、木工家具づくりの強みを活かした店舗の建築も開始。今日に至るまで、多くの苦労を乗り越えてきました。
「いろんな意味で経済の激動を建設業・不動産業というのは流れを受けるので、その時にどう立ち向かうかというのは非常に決断が要求されてきたんですが、一人じゃなくていろんな社員さん、特にリーダー格の人と一緒に助け合いながらやってきたことがいくつかありますけど、自分一人ではなく、波を乗り越えたことが今でも自信になっています。」と織田社長。
本社の向かいにある木工工場。そこに共栄店舗を支える人材がいます。およそ20人の職人たち。
彼らの匠の技を活かし、店舗のほか、工場・事務所・病院・住宅に至るまで幅広く事業を手掛けています。
年間施工実績は、およそ320件。創業以来の実績は1万件を超えます。
その実績の柱となるのが、この木材置き場。国内外から集めた、およそ40種類の木材を工場にストックし、注文後、敏速に動ける体制を整えています。
この体制に共感し、取引を続ける建築家がいます。大阪に工房を持つ、竹原義二(たけはらよしじ)さん。建築界で栄誉ある数々の賞を持つ建築家です。
この間を風が通って木が呼吸していきますから、ペタッとあんまりひっつけない、板と板を、乾燥させるんですよ。たぶんすごい好きなんだと思う。木を集めることも好きだし、それを使っていって家具を作るというのは、家具というのはすごく小さなものを曲げたりなんかするので、こういうものを持っているというのが魅力的ですね。」と竹原さん。
竹原さんが設計した物件の建設現場。そこに職人たちの技が隠れていました。
「あそこのとこはね、柱が建って次に大きなハリが一本ものの長い木では運んでこれないのでつないでいく。追掛大栓というやつでつないで、そして金物を使わない技術。共栄店舗さんというところは、そういう仕事ができる技術者と職人さんを抱えている、そういうのがすごく重要なところ。」と竹原さん。
大手メガネ専門店「メガネの田中」。
数年前から店舗のリニューアルを進めています。このリニューアル工事を手掛けたのも共栄店舗。メガネを置くショーケースはもちろん、店内のテーブルやイス・収納棚なども共栄店舗の職人が製作。木のぬくもりを感じる店舗に生まれ変わりました。
そして、 海外のレンズメーカーからも実績を評価され、日本初出店の店舗の施工も手掛けることになりました。
ディレクター「これは何ですか?」
職人「メガネのレンズのツァイスという海外のメーカーの中央什器という現場でメガネを置いたりする家具になるんですけど、今3次元で難しいのをこちらの工場で製作しています。」
曲線が特長のオリジナルショーケース。木材で曲線を描くという、高度な技術が求められます。
「グレードも質も内容も全然違いました。やはり最初は不安とかどうしようか、というのがあるんですけど、うちの職人さんたちは向上心がすごいのでそこから一気にワクワクに変わって、じゃあ作ろうとなったときに団結力が凄かった。仕事は楽しんでやっていこうという精神でやっていますので、いろいろ難しいのが来れば来るほど燃え上がる職人さんたちで、いろんな職人さんがいて皆が一つの目標に向かって進んでいくっていうのは本当に強みだと思う。」と職人さん。
無事に日本初の店舗「ツァイス ビジョンセンター」が福岡にオープン。共栄店舗の技術力が最大限に活かされました。
「まずは技術力がしっかりしていること、それとモノが凄く早いということですね。ここに関しても試作品をちゃんとモノができるように我々も確認することが凄く早くできる。きちんとリクエストをした形でやってもらえる会社って本当なかなかない。その中でも抜きんでている会社だと思います。」とデザイナーさん。
店舗建築の技術は、住宅の施工にも応用されています。オリジナルデザインを活かした個人宅。
「入ってすぐ吹き抜けが広がる形なんですけど、こちらの階段もうちのオリジナルでウォールナットという木で、全部一枚板で作らせてもらってます。10人いたら10個の家がありますので、それぞれみなさん満足いただけるように一件一件対応させていただいております。」と担当者さん。
共栄店舗の住宅展示場。木材をふんだんに使い、木の魅力を実際に感じることができる空間です。
さらに近年の住宅事情に合わせ、リフォーム館も建設中。カフェスペースや銘木の展示販売など、共栄店舗の強みを活かしながらリフォームの提案ができる施設をこの春オープンする予定です。
信頼と実績を積み上げ、現在は、大阪・福岡にも営業所を構える共栄店舗。
これからも挑戦は続きます。
織田社長が考える、これからの共栄店舗は?
「リアルな店舗を作ることが僕らの仕事なんですけど、最近では空中戦、
インターネットを使ったお店が非常に優勢極めていますけど、人が集まるというところを作っていかないといけないというのは使命としてあると思っています。そこに人が集まって、それが賑やかになって、それでまた企業さんが繁栄していくような、そいうことを我々が支援していければなと。
求められて恩返しができて、winwinの形で共に成長していけるような会社を目指して頑張っていこうと思います。強い会社にしたいですね。」
木工家具から店舗、住宅建築を手掛ける共栄店舗。今回のポイントは「スピードアップ」とした。
情熱企業で取材する建築業の中で、社名に“店舗”が入っていることに注目した。 特に気になるのは、店舗建築をすることで活かせる強みはなにか、という点である。
店舗は会社オーナーのイメージを実現することと来店客が受ける印象、店員が来店客にするサービスが的確かつ効率的にできる、テナントに入るならそのスペースに入るか、収益に貢献するかなど、様々な条件が絡み合うだろう。
住宅はオーナーのイメージを合わせることで満足をほぼ得られる。
社長に伺ったところ、店舗は事業開始を早めることから業務の「スピードアップ」が必須で、内装は華やかで質感ある素材を使うなど住宅以上にこだわりが出る。
飲食店ならばスペースの中で最大の収容人数を踏まえ、家具や厨房の大きさ、配置などを考える。オーナーシェフはえてして厨房を大きくするが、ホールが小さくては意味がないので開店後の収益性・生産性まで踏まえてさまざまな提案する。まさに社名の共栄を目指す。
このような店舗設計のノウハウが自社の強みであり、提案から施工まで早さにこだわる。
これを住宅に応用することで、他社との差別化が図れていることにつながっている。
従来からの木工家具事業は建物にあわせて建築と同時に進めることができスピードアップにつながっている。
今回のポイント「スピードアップ」はどの企業にも求められている。
共栄店舗は業務用というあえて厳しい分野に強みを持ち、それを分野を変えて個人へ提供したり、土地活用に変えたりすること。
業務をスピードアップさせるノウハウを構築することは、会社を強くし他社との差別化を図る大きなポイントとなる。
会社名 | 株式会社共栄店舗 |
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業種 | 建設業、不動産業,物品賃貸業 |
事業内容 | ①建築請負業。 ②建築の設計、施行、管理及び測量。 ③不動産の売買、仲介、斡旋、貸付、賃貸借及び管理。 ④木製家具及び鉄製家具の製造及び販売。 ⑤前記各号に付帯、関連する一切の業務。 【特定建設業】広島県知事許可(特-27)第6310号 【一級建築士事務所】広島県知事登録16(1)0290号 【不動産業】広島県知事登録(10)5284号 |
代表者 | 代表取締役 織田誠爾 |
所在地 | 〒721-0952 広島県福山市曙町1丁目3番17号 TEL. 084-953-1650 FAX. 084-953-6777 |
お問い合わせ | 084-953-1650 |
ホームページ | http://www.kyoeitenpo.co.jp/ |