2020.02.16 O.A.
~地域経済に”越境EC”で貢献 地方銀行の挑戦~
山口県の西部に位置する下関市。日本海と瀬戸内海に接する地形から海の玄関口として発達し、韓国の釜山とを結ぶ、関釜フェリーの発着地があることから、中国大陸へ渡るルートとしての重要な役割を担ってきました。そんな下関市に本店を置き、北九州、広島、そして山口の広域を主要エリアとして、地域に根差した金融サービスを行うのが、中四国最大規模を誇る金融グループ、山口フィナンシャルグループです。
地域における金融インフラの中心であり地域経済に貢献する地方銀行。しかし今、人口減少や高齢化、後継者不足など、地域経済が活力を取り戻せていない中で、フィンテックなど新しい技術の発展、キャッシュレス化の浸透など、取り巻く環境は大きく変化しています。そんな中、山口フィナンシャルグループは、その地域特性から、早くにアジアへ目を向け、韓国、中国を中心に海外ビジネスを展開しており、その中で、山口フィナンシャルグループが考え出したのが”越境EC”。越境とはインターネット通販サイトを通じた国際的な電子商取引を指します。近年有望なビジネス形態として日本でも注目を集めています。広島、山口、北九州にある企業の魅力ある商品などを発掘し、越境ECサイトに展開したのです。
大連市で開催された日本商品を紹介する大規模な展示会。そのブースの一角に、山口フィナンシャルグループが声をかけた企業が出展していました。そこにはたくさんの人がにぎわい、中には早速ネットショッピングサイトで購入している人もいました。つなぐ力を地域の活力にしていく。その挑戦はこれからも続きます。
地域の中小企業の力となるため越境ECに注力する山口フィナンシャルグループ。
今回のポイントは「信用と信頼のルートを使う」とした。
いま地方銀行はその地域の観光資源も含め、地域をまるごと売り込んで新たな利益を創出しようとする地域商社活動が活発になっている。なかでも国境を越えて通信販売を行うオンラインショップは越境ECと呼び、以前から販路開拓に注目されいている。国内の需要が伸びにくい状況の中、一方では日本製品への信頼は厚い。
これからの企業が販路の開拓・拡大を海外に求める中で、リスクの見えにくい海外展開は容易なものでない。
山口銀行は以前より中国 青島・大連に拠点を持っており、国内で数少ない人民元建てによる融資など金融取引に強みをもっている。
また、どうも品質の良くない類似品が出回るイメージがあり、経済産業省も偽物への注意喚起がされいる状況で、返品率が非常に低い、信頼のあるオンラインショップ業者との提携をしている。
このような信用と信頼のルートを使い、山口フィナンシャルグループによる越境ECは中小企業の海外進出のハードルを下げ、更には展開をスムーズにするための支援を行っているとのこと。なかでも食品、化粧品、日用品で特徴のあるものの展開を進めている。
山口フィナンシャルグループは海外展開支援を中期経営計画での重要項目にあげ、海外戦略部門はそのプラットフォームとして企業と共に伴走していくと意気込む。
金融機関は「信用と信頼のルートを使う」を選定し、活用することに長けている。
地域産業の活性化に向けて原点に戻り、地域の企業がもっと良くなることで雇用の創出がはかれれば地方創生はもっと進んでいく。
山口フィナンシャルグループの地域活性化の活動に期待したい。
会社名 | 株式会社山口フィナンシャルグループ |
---|---|
業種 | 金融業,保険業 |
事業内容 | 銀行、その他銀行法により子会社とすることができる会社の経営管理、ならびにそれに付帯する業務 |
代表者 | 代表取締役社長 吉村 猛 |
従業員数 | 3,845名(2018年3月31日現在) |
年商 | 総資産10兆3,665億円(2018年3月期) |
所在地 | 山口県下関市竹崎町4丁目2番36号 |
お問い合わせ | 083-223-3452 |