2020.03.15 O.A.
社員に選ばれる会社へ
海田湾にそそぐ瀬野川のほとりに本社を構えているのが、株式会社タイヨー。廃棄物の収集、運搬、選別を主な事業としています。2018年、平成30年に発生した豪雨災害において、地元、坂町や海田町の
災害ごみを大量に撤去し、さらに被災地へごみ回収用のダンプカーを寄贈した
ことで話題になったのです。
1951年、昭和26年に創業した株式会社タイヨー。一般家庭からでるごみの収集運搬処理をかわきりに、社員とともに廃棄物処理事業を拡大していきました。しかし事業拡大が進むにつれ、ある問題が生じたのです。それは社員との軋轢と常態化していた人材不足。そんな状況の中で生み出した新たなる価値の創造とは…
父親から事業を継承した元山社長は、まず、社員とどう向き合うかを考え、あることに取り組んだのです。それは専門家の指導のもと、評価の見える化に取り組んだのです。目標を決め、その達成具合で給与などが決まる。さらに社員同士でも評価しあう制度を導入。助け合うことの喜びを知ることも社員のやる気につながり、結果的に離職率が大幅に改善したのです。
職場を見渡すと…そこには多くの女性の姿。2017年から積極的に女性の採用に取り組んでいるのです。その一環として設立されたのが…企業内保育施設。女性が安心して働けるよう2018年に設置。現在11人の社員が利用しています。さらにごみの選別現場でも女性が働きやすい環境づくりに取り組んでいます。新たに導入された選別機。従来、中腰で人の手による選別でしたが、この選別機ではこれまで取り切れなかった細かいごみを、振動と空気の力をつかって機械的に選り分け、
その後、ベルトコンベヤー上で作業できるので、体への負担も軽減できるという
のです。そして、休憩スペースはカフェスタイルを導入。男性女性に分け快適な空間にしました。評価制度の見える化、職場環境の改善を少しずつ行ってきたことで
社員の仕事に対する向き合い方も変わったといいます。さらに社員同士が積極的にコミュニケーションをとる機会も増え、社内の活性化にもつながったのです。
「会社の価値は作る」
廃棄物処理を行うタイヨー。
今回のポイントは「会社の価値は作る」とした。
静脈産業である廃棄物・リサイクル事業は生産されたものの後を処理する
重要な産業である。いろいろと苦労して現在のタイヨーを展開する元山社長。
タイヨーの価値について話を聞いた。
廃棄物処理は廃棄するものを回収することでその代金を得る。
廃棄物は適正に処理し資源などへ生まれ変わらせる。この業務の流れで
モノの品質やデザインでは差別化しにくく、付加価値をつけにくい。
また、回収設備、回収方法による差別化も多くの規制がある。
このなかで収益の源泉となるのは人の品質・サービスの質の向上が最も重要とのこと。
人の質を上げることは会社にとって最重要課題であり、特に苦労する。
元山社長は、社員が働きたい会社にすれば会社の価値は自ずと上がる。
社員には、トヨタに負けない一流の会社になろう、
かっこいい会社・仕事・社員になろう、選ばれる会社へ成長しよう、と話している。
タイヨーの会議室にはそれを具体的に文字にしたスキルマップが掲示されている。
社員が達成する業務に対応した評価表をオープンにして、何をすれば会社に貢献するのか。
社員自身が会社における、そして社会における価値の高め方が示されてる。
それは社員手帳にも記載され社員に配布されている。
また受託する業務はほぼ民間からの業務としており、適正な業務をするために必要な費用で対応する。もちろん生産性を高める活動はするものの、
質を下げる業務を受けると社員の士気にかかることにもつながることから
受注には慎重に対応しているとのこと。
事務所の社員は概ね若い方が多く活気がある。会社の価値を上げるのは
個々の社員が生き生きと働けることであり、それは現場に行けばわかる。
今年は大卒社員が多く入社するそうである。地域に近い、社員に近い、
家族のような間にある会社を目指して、
一層の価値の向上を図ると元山社長は意気込みは高い。
今回のポイントは「会社の価値は作る」
新たなる価値の創造は、そこで働く従業者、経営者が力を合わせて
初めて得られるものでありその価値はみんなで作るからこそ共有できる。
会社名 | 株式会社タイヨー |
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業種 | 廃棄物処理業 |
事業内容 | 廃棄物の収集・運搬 |
代表者 | 代表取締役 元山 琢然 |
従業員数 | 85人 |
年商 | 売上高 1,023,112,746円(2018年3月実績) |
所在地 | 広島市安芸区船越南5丁目11-1 |
お問い合わせ | 電話082-824-0110 FAX082-824-0113 |
ホームページ | http://www.taiyo-net.co.jp/ |