広島地域 8ch

毎週土曜日 朝11時35分放送(土曜日 深夜再放送中)

独自の価値を創造する企業をテレビ新広島とTSSプロダクションが総力取材

放送内容 過去に放送した番組をご覧ください。

2022.03.05 O.A.

本業以外の活動に力を入れる会社

広島日野自動車株式会社
自前のホールでランチタイムコンサート

広島市安芸区船越南、ある企業の敷地に足を踏み入れると…
社屋と並んで何やら立派な建物が
中に入ってみるとそこは… 音楽ホール
行われていたのは、月に一回昼休みに開かれるランチコンサート。
観客は、この会社の社員たちです。
コロナ以前には、一般にも開放されていました。
このような自前のホールを持っているのが広島日野自動車。
トラックやバスの販売、修理を手がける企業です。

なぜ自動車の会社が、コンサートを?

「コロナ禍で発表の場が激減している音楽家を支援したい」
こう語るのは代表取締役社長の松井勇二さん。
広島日野自動車では、このランチタイムコンサートにとどまらず、
プロの音楽家が、毎月幼稚園などに訪問して演奏する「幼稚園訪問コンサート」や
「0歳時から聴けるコンサート」をコンセプトに
本格的なクラシックを提供する「親と子のための四季コンサート」、
さらにピアノコンクールなども開催、音楽支援活動に力を入れています。

こうした企業による文化・芸術活動の支援は「メセナ」と呼ばれ、
企業の社会的責任として、さらにSDGsの一環として幅広く行われています。
その背景には、「経済活動のため環境に負荷を与え、人材を労働力として収奪してしまう企業には、
文化で次世代に還元する義務がある」という考え方があります。
そんなメセナ活動で、広島日野時自動車が行っているものといえば、ダカールラリーへの参戦です。
日野自動車が参加する、「世界一過酷」と言われるレースに、メカニックを派遣しています。
メセナ活動は
「社員が働きやすい環境づくりの一環」
「良い人材に良い教育をすることでお客様に貢献できる」と松井社長は語ります。

メセナが会社を強くする

メセナ活動で、社員が働きやすい環境を作り、社会的責任を果たす。
こうしたイメージアップが必要な背景には、自動車業界の厳しい人材獲得競争があります。
「競合他社と比べ倍の拠点があり 整備士の数も多く、メカニックの採用は最重要課題」
メセナ活動を通して、他社と差別化を図り、腕の良い整備士を確保する。
「自分たちの仕事が、人流・物流を支えている」
大きな責任を担う人材を確保するためには、やはり働く環境が大切なんです。

実は、音楽支援活動も、優秀な人材確保に一役買っています。
ランチタイムコンサートで運営として動いていた黒木愛都咲さんは、
普段の業務をこなすだけでなく、コンサートでピアノも演奏します。
広島日野自動車には、音楽部があり、エリザベト音楽大学の卒業生を採用しています。
「働きながら音楽活動に携わっていけることは貴重」と黒木さん。
「専門的分野に取り組んだ人なので何事にも几帳面に取り組む」と社長も太鼓判を押します。

さらに、社員の意識も変わっていくようです。
「社員一人一人も社会貢献ができているという感覚がある。私個人としても何かできたら。」
「この会社のために頑張りたい」
こう語る社員もいます。
メセナ活動に力を入れる事が、社員の働きやすさ、やりがいにつながり、
ひいては、会社の魅力へとつながっていくんです。

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―トラックの販売会社 どこがポイントか―
本社を訪問して驚いた。なんと売物のトラックが展示されていない。
大きな応接室においてあるのは、鉄道模型ジオラマとグランドピアノ2台。
玄関の向かいにはシンフォニーホール。
私が見つけた素敵なポイントは「会社の活動がすごい!」こと。

―会社の活動がすごい?―
ひのっ子ピアノコンクールや演奏会、軟式野球部、女子卓球部、音楽部、
そのほか多数のクラブ活動がホームページでも紹介され、
社員のほとんどがクラブ活動に参加しているそうだ。
地域の子供へ教室を開いたり発表の場を作ったりと力の入れようがすごい。

―そこまですごいとなると社員もたいへんでは―
やりたいことをやっている。
むしろ、チームを作ること自体が社会人になるとなかなか大変だし、
志を同じくするクラブ活動となるとさまざまな応援や意義がなくては続かない。
これが会社に入っても何らかの形で活動できるのは社員にとってすごいことだと思う。

―社長や会社はどんなことを考えているのか―
クラブ活動だけでなく業務での5S、研修や通常期では海外視察なども行う。
トラックは業務用であって、顧客のそばに整備工場や店舗があることが必要で、
県内の各地に社員が点在している。
どこの店舗も同じように社員の意識を一つにまとめることや、
新しい刺激や感覚を伸ばすことなど、福利厚生と将来への研鑽を積むことは、
いずれも社員やその家族の健康や生活を向上させるものであることが重要となる。
「会社の活動がすごい!」のは会社のすごさに直結する。
スポーツや音楽はやる方も見る方もまた応援する方も、直接関係することで“感動”する。
地域社会へ感じる機会を届けていくことは、
周囲の期待も高まり全体が成長していけることにつながっている。

―感動することは楽しそう―
会社や仕事は目標に向けて、多くの課題を超えていかなくてはならない。
仲間が一緒に打ち込めることがあれば、仕事以外の場で理解しあえる機会は増える。
感動をともにした仲間や応援者とともに取り組めば課題を乗り越えていける。

会社の活動がすごい! 広島日野自動車がずっと感動を届ける会社であることを期待したい。
企業情報
会社名

広島日野自動車株式会社

業種卸売業,小売業、学術研究,専門・技術サービス業
事業内容トラック・バスの販売・修理

代表者代表取締役社長 松井勇二
従業員数395名(2021年3月末)
年商241億円(2020年度)
所在地広島県広島市安芸区船越南2丁目7番4号
お問い合わせ082-824-1200
ホームページhttps://www.hiroshima-hino.jp