2022.03.12 O.A.
人手不足の突破口 キーワードは外国人雇用
電気工事業界は、深刻な人手不足に直面しています。
高齢化による熟練電気工事士の退職。
減少する労働人口が、電気工事業界に暗い影を落としているのです……。
そんな中、電気工事で躍進を目指す企業があると言います。
この日の現場は、造船業で栄えた呉市にある、呉阪急ホテルでの、宴会場リニューアル作業でした。
そこで出逢った現場管理担当者はベトナム人。
深刻な人手不足を解消するための秘策。
それは「外国人労働者の受け入れ」。
原電工業も、そうした企業のひとつだったのです。
原電工業の本社があるのは、安佐北区の深川。
広島県内を中心に、中国地方の電気設備工事を手掛けています。
12人の社員の中に、ベトナム人が③人、中国人が①人います。
現場を担当するのが、トゥンさん、そしてシュアンさん。
外国人雇用について、原社長は次のように語っています。
「電気の需要に比べて人材が入って来なかった。
社員がいないと会社は継続していけない。
日本人にこだわらず一緒に働く仲間をさがす。
外国人の雇用が小さな会社の生き残る手段。」
外国人社員の雇用にあたり、原電工業は、3つのことに取り組みました。
ひとつめが、ベトナム人社員とコミュニケーションをとるために、ベトナムの翻訳担当を雇用すること。
ふたつめが、教育担当を置いて、監督になるための指導をしていること。
みっつめに、社宅を用意していること。
暮らしまで気遣うことで、安心して働くことができるのです。
外国人人材の雇用をきっかけに、始めたことがあります。
それがベトナム人の有料人材紹介業、H BRIDGE(エイチ ブリッジ)
これまでCAD技術者や施工管理、自動車整備士など、10人以上を他社に紹介しています。
人材を獲得するために、ベトナムの人材紹介企業 タンザンフェコンと連携。
原電工業は、人材紹介の依頼を受けると、国内でさがすと同時に、タンザンフェコンにも連絡。
ベトナムで人材のマッチングが成立した場合には、日本に送り出してもらうのです。
「どちらかと言えば人助け。
同業他社など人の力になれば それが自分に返ってくる。」と原社長は語ります。
人手不足の解消で、業界全体を盛り上げていく。
外国人人材の雇用は、中小企業が生き残るための、
ひとつの方法なのかもしれません。
エンジニアはどこでも頑張る
―中小企業の人手不足は深刻―
建物の電気配線工事など、電気設備工事。
建物は様々な事業者が各々の役割を決められた時間、仕様、能力により工事することが使命だ。
IT化が進む中でも工事は人が介在するところは多く、人材不足は大きな課題。中小企業はなおさら深刻になっている。
今回の素敵なポイントは“エンジニアはどこでも頑張る”ということ。
―エンジニアの採用はたいへんでは―
機械や電気などの設計図は規格化されている。
国は違っても工学を学んでいると、図面は文章よりはるかにわかりやすい共通言語となる。
原社長はエンジニアを呼ぶためにベトナムの方を招いた。
外国人であっても工事の設計施工は図面でやり取りするので、少々会話が難しくても理解できる。期待に応えてくれるという。
設計も現場施工もこなせるエンジニアが確保できることで、業務は安定してきたそうだ。
―新しい会社のあり方へ―
中小企業の人材不足はこれからも続く。
中小規模の企業にあって、社員を隔たりなく大切にする、
やりたいことを実現する場を提供できる、
地域にあって安心して住める環境を提供するなど、外国人とともに働く魅力のある会社。
原電工業のような新しい強い会社が発展することを期待したい。
会社名 | 原電工業株式会社 |
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業種 | 電気・ガス・熱供給・水道業 |
事業内容 | ●電気配線工事・電気設備工事 ●有料職業紹介業務 |
代表者 | 代表取締役社長原 圭三 |
所在地 | 広島県広島市安佐北区深川2丁目39-4-1 |
お問い合わせ | 082-209-5400 |
ホームページ | https://haraden2015.jp/ |