2023.03.25 O.A.
“おせっかい”を体現する塗装
塗装業界は、2~3人と少人数で営む会社が多い中、道原塗装の職人は、20人ほどいます。そこまで成長できたのは顧客からの信頼を獲得できたことに他なりません。そのための3つの要素、1つ目は「塗装を長く持たせるために必要な下地処理を施す」。塗装を長持ちさせるために最も重要なのが下地処理なんです。どんなに高級な塗料を使っても、どんなに腕のある職人が塗っても、この下地処理で手を抜くと数年ではがれてしまいます。時間がかかろうと、この作業で手を抜くことはありません。2つ目は「国家資格を持つ確かな腕前がある」。客からすれば技術力は分かりにくいですが、道原塗装の従業員の9割以上が、一級・二級塗装技能士の国家資格を持つプロフェッショナル集団なのです。そして3つ目が「非効率でも手塗りにこだわる」。スプレー塗装では、噴射させるため塗料を薄めます。そのため粘土も低下し、厚みが出ません。一方、手塗りの場合は厚塗りができます。もちろん隙間などの場所は塗りにくいですが、そこは技術があるからこそできる事。その確固たる自信があるからこそ、業界では珍しい10年間保証も行っています。
道原塗装が劣化していた外壁の塗装を行いましたが、その家の壁だけでなくポストや物置の屋根塗装も無料で行いました。しかも、網戸がはがれているからと、網戸の張替えも行いました。古き良き日本の文化“おせっかい”を体現する道原塗装。このおせっかいこそが道原塗装の信頼につながっています。利益ばかり追求するのではなく無意識で顧客が喜ぶことを能動的にできる人材に育てることが大事と社長は言います。
お世話になっている地域への恩返しも忘れてはいません。例えば、保育園の遊具は、
道原塗装が保育園にお願いして無料で塗ったものです。単純に子供の笑顔が見たいからという思いでやりました。50年間培ってきた「技術力」と「人間力」。このことが評価され、呉を代表する建物の塗装も任されるまでに成長しました。生産性だけに目を向けるのではなく、非効率だったとしても仕事は心でやることを理念に掲げ、道原塗装は地域で愛される企業へと成長していったのです。
今回のポイントは「どうする技能伝承」
呉の住宅街にある道原塗装を訪問し、道原社長に職人技の技能伝承をどうしているのか聞いてみた。2代目社長として会社と社員の発展のために様々に奮闘してきたそうだ。塗装だけでなくいろいろなおせっかいサービスをするのも、お客様から感謝されること皆で共有できる機会を増やしたい思いでやってきた。塗装は現場によって下地が変わり、厚塗りが必要な場所ではきれいに塗るにはコツと経験を要する。社長が入社した頃は、見て盗め、という時代で下積みが長く社員も定着しにくい状態。そこからコツコツとベテランを説得し、ベテランが若手を成長させる喜び、社員みんながよくなることのメリット、お客様の信頼を得ることでさらに発展すること。塗装施工は基本的に同じ作業を繰り返す。しかし現場は日々変わる。建物は動かずに残ることから自分たちの仕事を残せ感謝される喜び、良い仕上げをする達成感、やりがいへ その甲斐あって、今ではベテランと若手がペアを組んでしっかりと技能伝承をするに至っている。今は手取り足取り教えて育てる。
社長にとって若手社員をベテランが成長させる姿は感慨深い。ここで社長の役割はプロデューサーのような存在になる。ベテランは若手ができるようになると、本人には言わず、社長へこそっと“あいつ最近よくなってきた”というそうだ。社長はそれを若手にベテランさんが褒めてたよ、と伝えるそうだ。間に入ることで状況もわかるし、一石二鳥に状況把握できる。
ベテランから若手への技能伝承の先をどうするか、資格取得を促進する研修活動を推し進めているそうだ。天候の影響を受ける塗装工事は、作業できない日は技能訓練や学習の時間にあてて研修としている。資格取得者を増やし、裏付けされた技能で施工する会社として発展したいとのこと。どうする技能伝承、地域に信頼される塗装業者として人づくりまちづくりに邁進してほしい。
会社名 | 株式会社道原塗装 |
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業種 | 建設業 |
事業内容 | 塗装、防水、リフォーム |
代表者 | 道原裕一 |
従業員数 | 15名 |
年商 | 非公開 |
所在地 | 〒737-0805 広島県呉市東片山町7-5 |
お問い合わせ | TEL 0823-23-0666 FAX 0823-23-9797 |
ホームページ | https://michihara.net/ |