2024.03.09 O.A.
先端技術で次世代の現場施工を
その歴史は古く、土木工事を祖業として明治15年に産声をあげ、創業は140年を超える総合建設会社。
広島県民の暮らしを守る災害復旧工事等に加え、「マツダスタジアム」「ひろぎんHD本社ビル」をはじめ皆さんがよく知る建物も数多く手掛けています。伝統や歴史を大切にしながら広島の社会インフラ整備に貢献しつつも、「新たな建設業界」に向け、今、鴻治組が取り組んでいることとは。
鴻治組が取り組んでいるのが、最新技術の現場活用。AR(拡張現実)技術を活用することで、工事現場にこれから施工する構造物を映し出したり、先端建機を用いてGPSを利用し正確な掘削作業等を行うICT施工(情報通信技術を活用した施工)を行うことで品質・生産性の向上を図っています。
更には、BIM /CIM(ビムシム)と呼ばれる従来の二次元の図面ではなく、三次元化した設計データを活用した取り組みを積極活用しています。BIM /CIMとは3Dモデルを利用し、建設現場での生産管理システムの効率化・高度化を実現するためのワークフロー全体を指した言葉です。3Dモデルを活用することで、作業工程や施工上の課題、完成イメージ等の情報を容易に共有出来るなど、業務の効率化・高度化が図られるメリットがあります。
若手の人材不足が叫ばれる業界の中、鴻治組は最新のデジタル技術を積極的に取り入れることで、”地場建設業界で最も働きやすい建設会社”を目指しています。実際、こういったAR技術、BIM /CIMを活用することで業務の魅力向上に加え、若手の理解度向上・育成期間短縮にも繋がっています。
また新入社員には年齢の近い社員がメンターとしてサポートするなど 若手が働きやすい環境を整えており、その結果、全社員のうち、20代が約3割という高い水準を誇っています。
また2023年には、地域の発展と人材育成に寄与することを目的に、知の拠点・広島工業大学と建設会社としては初となる包括連携を結びました。
創業140年という老舗でありながら時代の変化にすぐに対応、新しい技術や制度の導入にも積極的に挑戦する鴻治組は新たな建設業界のトップランナーとして走り続けることでしょう。
今回は「会社のキャパシティ」について考えてみた。
会社には「力量」「腕前」「才能」のある人が集まり、その能力を活かしてモノを作ったりサービスを提供する。モノやサービスを最適な形で提供するために柔軟に対応する「適応力」や「生産能力」を集めて活かす組織や装置、マニュアルや研修などいろいろと必要になる。
社会基盤となる道路や土地造成、様々な建築改修工事と土木・建築会社は、注文に応じて場所によって変わる地盤を相手に、その形を整えて構造物を建てていく。
檜山常務に土木建築会社の業務の難しさについて聞いたところ、土木建築業は発注者の思いを実現するために、設計する会社、専門技術を持つ工事会社、地形地盤を測る測量会社、鉄筋や足場、コンクリートなど様々な会社との連携を図り、決められた工期、建設費を調整しデザインしていく。
そのためには、社内・社外の関係者が一貫して完成した姿やそこに至る工程を理解し、同じ意識で仕事に取り組んでいくことを要する。現代はよりIT技術が身近になっており、複雑なことをわかりや素早く見ることが可能になってきた。
現場に応じた測量データ・設計データから構造物も工事工程をリアルかつ正確に把握していくためのCGを活用している。また工事に欠かせない建設機械もデジタル制御を導入し、オペレーターの操作を支援することで間違いを抑え、作業効率を向上させている。 従来の図面や立体図を基に説明をしていくより、工事工程をリアルにCGによる説明の方が一目瞭然、かつ、捉え方が一致することで業務の手戻りや不具合を抑えることができ業務効率も向上するそうだ。設計・施工・管理など多くの場面で、中堅、ベテランから若手や女性にも取り組みやすい業務のSmart化が進む。
鴻治組は鶴学園広島工業大学と建設会社として初となる包括的連携協定を締結し、教育、学術、技術、産業等の分野で相互に協力し、地域の発展と人材の育成を行うそうだ。
地域の会社と学校は地域を守るためにも魅力ある仕事、やりがいのある職場、働く人材の未来を描ける場を整えることはいま最も重要と言える。
鴻治組はデジタル化、IT化による社内改革を進め、地域での人材を育成していく活動を通じて、いかなる注文にも応えられるキャパシティを持ち、持続する企業を目指しているとのこと。
地域を代表するゼネコンとして発展を期待したい。
会社名 | 株式会社鴻治組 |
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業種 | 建設業 |
事業内容 | 土木・建築工事の請負及び設計監理 |
代表者 | 代表取締役 檜山 典英 |
従業員数 | 107名 |
所在地 | 広島県広島市安芸区船越南1丁目2番6号 |
お問い合わせ | tel:082-822-5211 |
ホームページ | https://koujigumi.jp/ |