広島地域 8ch

毎週土曜日 朝11時35分放送

独自の価値を創造する企業をテレビ新広島とTSSプロダクションが総力取材

放送内容 過去に放送した番組をご覧ください。

2024.07.13 O.A.

失敗をどう捉えて挑むか

株式会社オンド
開発から生産まで一貫した体制作り

東広島市八本松飯田に本社を置く「株式会社オンド」。
国内外10拠点で自動車部品の製造を行っています。
その内容を名井社長が教えてくれました。
主にはパワートレイン系(駆動系)の部品を中心に作っています。
中でもディファレンシャルアッシーは2013年、第5回ものづくり日本大賞特別賞を受賞した
自慢の部品のひとつだとか。

ディファレンシャルアッシーの仕組み

2023年に誕生した技術開発センターでは、日々、スタッフが研究・開発に勤しんでいます。
オンドでは、研究や開発に力をいれてきました。
かつては、自動車メーカーが企画・設計したものを受注し、生産してきました。
やがて技術力もつきはじめ、社員たちの研究・開発への意欲も増してきました。
そして株式会社オンドが誇るディファレンシャルアッシーが誕生しました。
ディファレンシャルアッシーは、自動車の内輪と外輪の回転差を吸収する部品で,自動車を走らせる上でも重要な部品のひとつなのです。
開発担当者の高見さんは「自動車がまっすぐ走る時には、右と左のタイヤは、同じ回転でまっすぐ進むのですが、曲がる時には、どうしても外側の方が移動距離が長くなりますので、内輪と外輪の回転差が生じます。その際、ディファレンシャルアッシーの中に組み込まれている歯車が内輪側はゆっくり、外輪側は速く回ることで内輪と外輪の回転差を吸収している」と教えてくれました。

高い付加価値を確立するために

オンドでは、ディファレンシャルアッシーで独自の歯形を採用。
従来のものよりも小型軽量化と高強度化に成功し、高い付加価値を確立しました。
何故、可能となったのか。
それは名井社長曰く「物を作っていく中で全て一発で成功すればいいですけども、なかなかそういう訳にはいかないので、それは失敗することはあると思うんですよ。だから失敗する、それをどう捉えて次に生かしたかということは強みになって今まで、ここまで来れたのだと思っています。」
この前向きな追求が、常にものづくりに活かされています。
技術開発センターでは、構造解析シミュレーションで部品の強度を解析。
また、鍛造成形シミュレーションは、成形する上で発生する、割れやヒビなどのリスクを評価します。
しかも熟練した社員たちの技術をシステム化し、若手社員でも計算が可能となり、自動車部品の開発精度の向上を図ることができました。

徹底した検査体制

オンドグループでは、10拠点の工場で自動車部品を生産しています。
生産された部品はいくつかの検査を経て出荷となります。
さらには実際に部品の寿命はどのくらいあるのかも検査します。
近年では、EV搭載車への関心も高まり、部品メーカーとして求められる30万㎞を保証するために壊れるまで確認し、安全にこだわります。

創業者の想いを伝承する

創業者の「仕事を愛し、人を愛し、仕事を信じ、仕事を追い求める」という想いが受け継がれています。
入社5年目となる砂田さんは、子供が生まれたことを機に育児休暇を取りました。
実は、オンドでは男性社員の育児休暇率が7割を超えています。
育児休暇を取得した社員の周りの対応にも変化がありました。
それは残されたメンバーはその人の穴埋めをすることで仕事の幅も広がり、スキルアップができるチャンスでもあったというプラス思考で捉えています。
景気のいい時、悪い時、会社の苦しい時に一致団結して乗り越えてきたオンドはこれからも進化していくことが期待されています。

プロフィールへ

続きを見る
今回のポイントは「力を最適に伝える」。
ー動力を伝える、歯車は重要な機械部品なのですね。ー
自動車のエンジンの力をタイヤまで伝える重要な部品で、歯車は組み合わせることで部品から装置として大活躍する。
その活躍を支えるのがオンドの部品と言える。
ネジや歯車は自転車から製鉄装置まで、情熱企業で紹介した企業でも作っている会社、使っている会社を紹介してきた。
どの企業も重要な技術の大きなポイントになっている。

ーネジや歯車を作るポイントはどのあたりにあるのですか。ー
自動車や自転車などは早く正確に強くたくさん作ることが必要とされる。
そこで使われる技術が「鍛造」という成形方法だ。
金属素材を叩いて伸ばして、さらに強くする加工方法で、素材を押しつぶすことで内部の隙間をつぶしていく。
ネジはナットと、歯車は歯車同士が噛み合うことで大きな力を伝える。
部品の表面は強く正確な形にならないとうまく力が伝わらず、余計にエネルギーが必要だったり、すぐすり減ったり壊れてしまったりする。
スムーズに装置を動かすためには部品が良くなければ成り立たない。

ー切ったり削って作るだけじゃないんですね。ー
オンドは歯車装置の設計開発から生産まで一貫して行っている。
世界で走る自動車部品の重要な機能を広島からたくさん送り出している。
欠かせないモノづくりをするすごい会社の一つ。作る人への配慮もされていた。

ーものづくりは人づくりでもある?ー
製品の開発も製品作りも人が行う。働きやすさや,やりがいがなければ,よい製品を生み出せない。
その一つに休みやすさは大きいといえる。
人間は暮らしの中で体調の変化や家庭の事情、子育てなどでどうしても休むことが必要となる。
育休制度を実践するためにはその環境づくりが必要となる。
会社全体で休む人をバックアップしていく体制を整えているそうだ。

ーやりがいも大切ですよねー
ネジや歯車はただ形ができればよいだけでなく、生産性や精度、耐久性、品質などの向上に向けて日夜努力が積み重ねられている。
「力を最適に伝える」ために、開発は試行錯誤を繰り返す。
その結果、良い製品を出荷するときの喜びや感動は大きくやりがいにつながる。
優れたねじや歯車で世界の動く製品を支えるオンドに注目したい。
企業情報
会社名

株式会社オンド

業種製造業
事業内容自動車部品の製造及び販売、プレス金型の製造及び販売、専用機械の製作及び販売


代表者代表取締役会長 岡村 宏
代表取締役社長 名井 伸一郎




従業員数1,519名(2024年7月1日時点)

所在地広島県東広島市八本松飯田1丁目1番1号



お問い合わせ082-428-2211



ホームページhttp://www.ondo.co.jp/