2024.09.21 O.A.
潜在能力を引き出すプロジェクト〜社員の成長が会社を変える〜
電気を送るための鉄塔。
その維持には定期的な塗装作業が欠かせません。
塗装に必要な塗料の缶は、ひとつがおよそ20kg。
その運搬は、現場の大きな負担となっていました。
そんな重労働を一変させたのがドローンの導入です。
技術の進歩が、働き方を劇的に変えたのです。
ドローンを活用した労働環境の改善。
その取り組みをしているのが、中電工業株式会社。
創業は1952年。
建築工事、塗装工事、ドローン事業、不動産賃貸など、4つの事業を展開しています。
長い歴史の中で、高い技術力を誇る一方で、保守的な一面もありました。
そんな中電工業に大きな転機が訪れます。
2021年6月、石井浩一さんが新社長に就任したのです。
そこでスタートしたのが「わくわく大作戦」。
社員が活躍し、成長できる場を創り出す、画期的なプロジェクトです。
部門や立場、性別、年齢を超えたチームが結成され、リーダーを中心に3ヶ月間、1つのテーマに挑みます。
大きなテーマのひとつが「働き方改革」。
塗装現場での運搬の負担を、ドローンを活用して軽減する取り組みもその一環です。
「働き方改革」につながる「わくわく大作戦」は、オフィスにも及びました。
以前は社員が座る席を確保するのも困難な状況だったオフィスをリニューアル。
新しいオフィスには、ABWという、自由度の高い働き方ができる手法が採用されました。
「わくわく大作戦」はリクルート分野にも取り組みました。
ホームページに取り組んだ豊嶋さんは、中電工業の工事監督者の仕事を、指揮者になぞらえて制作。
プロジェクトリーダーの経験は、上司の気持ちや相手の気持ちがわかるようになるきっかけになりました。
リクルート用のパンフレットを担当したのが、宮田さん。会社の福利厚生を写真で表現しました。あまりコミュニケーションを取る方ではなかった宮田さんは、「わくわく大作戦」を経験することで、前向きな気持ちを持つように変わりました。
2021年からの3年間で、わくわく大作戦の参加者数は、延べ100人。
およそ130人の社員の、大半が参加していることになります。
「わくわく大作戦」は、参加した社員の視野を広げ、前向きな姿勢を引き出しました。
中電工業に学生を送り出している学校の先生も、若い人にパワーのある会社として認識しています。
「わくわく大作戦」からは、社外向けの企画「ファミリー参観日」も誕生。目指したものは誰でも来やすい会社。参加した社員の家族は、どんな仕事をしているのかを実際に見ることができます。
そのイベントで配られていたウチワは、今年入社した上部さんのアイデア。ウチワにプリントされたQRコードで会社を知ってもらい、白黒印刷すると、子どもたちも楽しめる塗り絵にできるというものです。
「若い人だけだとリスクを想定しきれない。年齢層が高いと今どきの需要がわからない。年齢層が広いから話し合いが進んだ。」上部さんはそう語ります。
わくわく大作戦はひとりひとりの可能性を広げてくれるのです。
今回のポイント「経験して価値が積み上がる」
―「わくわく大作戦」 面白そうですね―
社員の持てる力を存分に発揮してもらうために、楽しく取り組める何かが欲しい。社員のやりたいこと、やりたい気持ちを引き出すことで会社をみんなで成長させたい。そんな思いを巡らせた結果、「わくわく大作戦」につながっているそうだ。
―いろいろなプロジェクト活動がありましたね―
社内外にかかる課題やイベント、プロモーション活動など様々な活動がある。しあわせんべい、電栄会キャラクター、オフィスリニューアル、リクルート冊子など…。
チームは各部署から選出されて構成する。活動終了時にはどこまで達成し、何ができたか、残課題は何かなどを確認する。
当初は社員にも戸惑いがあったそうだが、経験を重ねるとだんだんとうまくいき出し、成功体験が積みあがるとやりたい気持ちが高まってきたそうだ。
またプロジェクトや研修のために、業務部門はその人がいない間の業務をフォローすることとなる。人は業務の都合だけでなく、体調や家庭都合によっても時間が制約される。この制約は、互いにフォローする仕組みや仕事においても助け合えば職場環境は良くなっていく。
プロジェクト活動を通じて社内環境が整備できたことは大きい。
―経験して価値が積みあがる とはどういうことか?―
人は例えば本を読む、TVを見る、スポーツを極める、趣味を極める、遊ぶ、新しい仕事に取り組む。このような体験・経験を通してできることや知識が高まる。この積み上げが人の成長であり、これを会社の中で活用できれば会社も成長していく。
会社でその経験をどう活かせるか。
「わくわく大作戦」は、様々な取り組みをあえて、担当部署でやるという考えから、みんなでやることに変えることで、自分ごとになっていくこととなる。
経営者・社員のコミュニケーションは普段からの関係づくりが重要なポイントになる。
新しいことをする活動で、他部門の社員同士とも交流し、経験することで、多くのアイデアを集めることが期待できる「わくわく大作戦」は、他社にも大いに参考となる取り組みだ。
「わくわく大作戦」がこれからの中電工業の新しいサービス、新しい技術、新しい仕事へ、新たなる価値の創造につながることを確信する。
会社名 | 中電工業株式会社 |
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業種 | 建設業 |
事業内容 | 建築工事の請負 建築物の設計及び工事監理 塗装工事の請負 塗料その他化学製品の製造及び販売 不動産の売買・交換・賃貸及び仲介 無人航空機による物資運送の請負 無人航空機による写真撮影、空中測量、操縦訓練の請負 |
代表者 | 取締役社長 石井 浩一 |
所在地 | 広島市南区出汐二丁目3番24号 |
お問い合わせ | 082-505-1500 |
ホームページ | https://www.chuden-kogyo.co.jp/ |