2025.03.01 O.A.
ファクトリーオートメーションの巨人が生み出す省エネ発想
「SDGs」の持続可能でより良い社会を実現していくため、気候変動対策として、製造業を中心としたカーボンニュートラルの推進が必要不可欠であり、効率的なエネルギー活用によりCO2排出量の低減を実現する必要がある。
それは、企業にとって避けられない挑戦となっている。
その答えを求め向かったのは、広島県福山市。
そこには技術の最前線を行く現場がある。
三菱電機株式会社。
2021年2月に創立100周年を迎えた総合電機メーカーだ。
そして、ここ福山市には三菱電機がほこる2つの拠点がある。
身近な自動車や鉄道、家電だけでなく、産業用ロボットや自然エネルギー発電に必要な半導体の製造を行うパワーデバイス製作所福山事業所、そして中国地域最大規模を誇る三菱電機福山製作所だ。
ここで製造しているのは、電気の使用量を計測する電力量計、そしてビルや工場で使われる分電盤や配電盤に用いられるブレーカーだ。
追求したのは徹底した小型化。そのサイズは約80年で四分の一に。
小型化することで、設置場所が狭くても良いので、よりスペースの有効活用ができると顧客のニーズに対応した形だ。
ブレーカーの配線接続にも、独自の工夫が。
それがスプリングクランプ構造。
プッシュインで電線とブレーカーを接続でき、従来のブレーカーと比較して、最大52%の作業時間削減が可能だ。
そして今、ものづくりの最前線で求められる最先端の省エネ機器が、エネルギーと生産状況を見える化し、AIを用いて、分析からエネルギーロス削減の提案までを行う、エコアドバイザーだ。
エコモニターで計測した電力量をエコサーバーが収集して、そのデータを見える化し、AIで分析することで省エネの提案を行う。
福山製作所では、自ら開発した製品を自社工場に導入し、実証実験の舞台として活用している。
まさに「自ら省エネを体現する工場」だ。開発と実践が融合するこの現場が、次世代の省エネ技術を切り開いている。
広島市中区にある 三菱電機中国支社。
ここでは、福山製作所の製品を含む様々なソリューションを提供している。
1949年に広島へ進出して以来、中国支社は水や電気、道路といった社会インフラから、自動車産業、素材産業、食品産業など、社会生活を支える多様な製造企業にソリューションを提供してきた。
中国地方5県での活動を通じ、地域と強い関係を築いてきた三菱電機中国支社。そこには、一つの確かな思いがある。
単に製品やサービスを提供するだけでなく、ともに課題を解決する姿勢で臨んでいる。
三菱電機の省エネシステムを導入した企業がある。
東広島市に本社を構える 株式会社ヒロタニ。
自動車用の防音製品や装備品の開発・製造を手がけ、業界内でも高い評価を受けるメーカーだ。
自動車業界ではカーボンニュートラルの追求は不可欠。当然部品メーカーにもその影響はある。
ヒロタニは三菱電機の省エネシステムを導入し、いち早くその問題に取り組む姿勢だ。
省エネへの取り組みは、カーボンニュートラルを追求するメーカーへの貢献度をさらに高めることにつながる。
このような製品やソリューションの提供を通じて、三菱電機は導入企業の企業価値向上だけでなく、社会全体でのカーボンニュートラル達成にも寄与したいと考えている。
今回のポイントは『デジタル利活用』
地域によって産業の集積や交通、エネルギー、住まいなど特色は出てくる。その地域ごとの課題を三菱電機グループの総合力を生かした共創により、各地域支社での課題を解決する。
そこには新しい価値を生み出し社会課題を解決したい、とのこと。
三菱電機は家電から産業、社会基盤にかかる電機製品やサービスで総合的につながっている。
これを活かしてデジタルデータを蓄積し、様々に利活用することで課題解決を図ってお客様へ新たな価値を提供する。
これをぐるぐる循環させて様々な社会課題の解決につなげるそうだ。
政策的にも重点とされているカーボンニュートラル、脱炭素につながるデジタル利活用を上げると、ビルのエネルギーの最適化や空間制御により快適な利用をするために空調・照明・電力調整など利用状況をデータとして利活用することで年間を通じて環境にも利用者にも優しい建物として価値が高まったり、交通と電力においては、ラッシュアワーや日中、夜中における電力需要、エネルギーの貯め方や使い方から列車の運行など多くのデータを利活用することでサービス価値を高めていく。
データは以前より集めることも瞬時に処理することも日々進化している。様々な課題を解決するには三菱電機グループの共創のみならず、地域企業との共創も中国支社では力を入れている。
自社の強い分野においても機械装置やシステムだけでなく、ソフト面や企画などでこれからは共創していく。そのために駅周辺の情報を提供するアプリを展開するなど新たな取り組みも始めているそうだ。
三菱電機の総合力と共創力、地域企業との連携、オープンイノベーションの機会の充実を願っている。地域の課題解決に向けて他社との共創がさらに広がることで、広島が快適な街として一層発展していくことに期待したい。
会社名 | 三菱電機株式会社 ![]() |
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業種 | 製造業 |
事業内容 | 【中国支社】 ファクトリーオートメーション機器、防災設備、受配電設備、 水処理システム、発電所・変電所用変圧器・発電機、 他、各種製品の販売 【福山製作所】 遮断器、電力量計、省エネ支援機器、無停電電源装置及び電磁開閉器等の開発及び製造 |
代表者 | 【中国支社】支社長 中村真久 【福山製作所】所長 近藤桂州 |
所在地 | 【中国支社】広島県広島市中区中町7番32号 ニッセイ広島ビル8F 【福山製作所】広島県福山市緑町1番8号 |
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ホームページ | https://www.mitsubishielectric.co.jp/ |