広島地域 8ch

毎週土曜日 朝11時35分放送(土曜日 深夜再放送中)

独自の価値を創造する企業をテレビ新広島とTSSプロダクションが総力取材

放送内容 過去に放送した番組をご覧ください。

2011.10.23 O.A.

太陽熱温水器で新たな環境装置開発へ

株式会社寺田鉄工所
第2の事業の柱 ソーラー事業 環境への貢献

株式会社寺田鉄工所 1917年の創業以来、鉄骨構造物や石油化学プラント機器、電力会社向けの環境装置・排煙脱硫装置などを手掛けてきた総合プラントメーカー。しかし、2008年のリーマンショック以降、製造業の設備投資などが落ち込み受注低迷、活路を切り開くために、太陽熱温水器などの製造・販売を行うソーラー事業を始めた。

真空二重ガラス管式太陽熱温水器

真空は熱伝導しない。これを活かし開発したのが、真空二重ガラス管式の太陽熱温水器。この装置を広めることができると、省エネだけではなく、二酸化炭素の排出削減にも貢献できる。耐熱性に優れた真空二重ガラス管の内部に太陽熱を効率よく集熱できる選択吸収膜をコーティングし、その熱を真空二重ガラスにより管内に閉じ込めて水を温める。また、真空管内で温められたお湯は、自然に貯湯タンクへ、冷たい水は同時にガラス管へ。真空二重ガラス管式太陽熱温水器の構造自然循環を上手く利用し開発している。寒い冬でも、真空に守られているおかげで温められたお湯が冷めにくく、高温のお湯を沸かすことができる。室内のコントローラーで温度や水位量も分かるようになっている。2008年の発売以降家庭だけではなく、ホテルや大型温浴施設など約800台設置しており、順調に需要が伸びている。

エネルギー変換効率

ここ数年太陽光発電が注目の的だが、太陽熱温水器のエネルギー変換効率は太陽光に比べて約3倍もある。例えば、太陽のエネルギーを100%とした場合、ソーラーパネルで電気に変換できるエネルギーは10~20%。一方、太陽熱温水器は、50~60%をエネルギーに変換し利用することができる。

太陽熱調理器「エコ作」

真空二重ガラス管を利用し、開発したエコ調理器。太陽熱を集熱して200℃近い温度で肉や野菜を焼くことができる。水を入れると沸騰させることもでき、山や海でコーヒーを飲んだり、即席麺を食べるのにとっても便利です。

新たな環境装置開発へ

早稲田摂陵高校で始まった「太陽熱温水器」「吸着式冷凍機」を利用した冷暖房システムの開発、実証事業。この取り組みは、環境省が行う地球温暖化対策技術開発等事業の一環として行われています。校舎の屋上に80㎡、駐車場の屋根に162㎡の集熱パネルを設置し、お湯を沸かす。太陽熱温水器そのお湯を冬は暖房、夏は、温水を使って冷水を作り出す「吸着式冷凍機」に利用し、冷房を行う。このシステムを利用し教室12部屋の冷暖房をまかなうことができる。(現在は、6教室分に利用)教室内を見ると、窓際、廊下際、また天井に輻射パネルが設置しており、この輻射パネル内を温水や冷水が流れ、輻射パネルを温めたり、冷やしたりし、教室内の冷暖房を行っている。風の出ない冷暖房システム。「コストメリットも期待できるが、何よりも省エネや二酸化炭素排出削減に貢献できる。」と寺田社長は話す。エネルギー問題が加速する中、こうした環境装置を確立し普及させることで、次世代に住みよい地球環境を残していくことに貢献できると力を入れている。

企業情報
会社名

株式会社寺田鉄工所

業種製造業
事業内容板金製作、機械加工、環境機器
従業員数60人
年商10億円
所在地広島県福山市新浜町2-4-16
お問い合わせ084-953-0556
ホームページhttp://www.solars.jp/