2009.11.01 O.A.
廃棄物で農業を変える!未来型農業構想
広島県廿日市市。山間(やまあい)の道をしばらく進むとひとつの看板が現れる。 そこには『きなり村』の文字。目の前には、新広島市民球場がすっぽり入るほどの広大な農地が広がり、 敷地内には色とりどりの野菜が育てられていた。村の名前である『きなり』は、"なすがまま"の意味。その名の通り、 農薬を使用せず、大地の力で育てられた野菜が並んでる。
この農場を経営しているのは、広島市佐伯区五日市町石内にある『株式会社カンサイ』。 産業廃棄物処理事業を中心に、衛生施設の工事なども手掛ける環境ビジネス企業だ。 その分野の草分け的存在として、1966年からリサイクルを柱とした資源の有効活用と安全な廃棄物処分に取り組んでいる。 そんな環境事業の分野において、先頭を走る『カンサイ』が今、最も注力しているのが、農業事業だ。
きなり村で育てられる農作物は、有機汚泥から生産した自社の肥料で育てられる。 併設の鶏舎で集めた鶏糞は肥料になり、野菜は鳥の餌にするという、無駄のない循環型社会が形成されているのだ。 都市のアウトプットをきなり村のインプットに変えていく、人を中心とした循環を実現するための挑戦がこのきなり村なのである。
さらに現在、取り組んでいるのは広島大学と連携で進めている「メタン発酵プラント」開発。 有機汚泥などの廃棄物から処理の段階でメタンを有効に取り出し、エネルギーに変えようとする試みだ。 これまでもこの取り組みは行われてきたが、設備が大型になるため設置条件などにハードルがあった。 しかし、今回は処理の仕組みそのものを改良することで、小型化に成功。設置場所などにも自由度が増し、 コストダウンにもなると各方面から期待が寄せられている。
夢をあきらめず、様々なことにチャレンジし続ける川本社長。今日も元気に畑仕事に精を出す。
会社名 | 株式会社カンサイ |
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業種 | サービス業(他に分類されないもの) |
事業内容 | 産業廃棄物の処理 衛生施設などの建設・補修など |
従業員数 | 55名 |
年商 | 8億円 |
所在地 | 広島市佐伯区五日市町大字石内460番地 |
お問い合わせ | 082-941-1641 |
ホームページ | http://www.ekansai.co.jp/ |