2014.08.24 O.A.
解体、更地化から広がる 新たなビジネス
広島市西区己斐本町に本社をおく株式会社桑原組は、昭和33年、創業者・桑原道明氏が個人経営として事業を始めた企業。創業から半世紀以上の歴史を持っています。
現在の4代目代表取締役・桑原明夫氏は、「我々は街づくりのトップバッターである。(古い建物をとり壊して生まれる)更地があって、はじめて新築が始まる」と語ります。
半世紀を超える歴史の中、桑原組が行った解体工事の実績は、累計10,000棟を超えます。
その中には、原爆死没者慰霊碑、元宇品ドッグ(現在のグランドプリンスホテル広島)、NTT中国総支社(現在の基町クレド)、そして2年前の旧広島市民球場などがあります。
こうした大規模な解体工事に桑原組は選ばれてきた理由は、工事の緻密さ。桑原組では、常に、作業手順書の作成、事前確認、送り出し教育などを行い現場に入るようにしています。
安全性はもちろんのこと、防音・振動などに配慮した緻密な計画のもと行われる解体工事。その品質の高さが、選ばれる理由です。
現代表取締役・桑原明夫氏が会社を任されたのは、世界経済を襲ったリーマンショックの翌年のことでした。
売り上げが半減した会社の建て直しを迫られた4代目桑原社長は、社員をリストラすることなく乗り切るため社内大改革に乗り出します。
会社の向かうべき道を示そうと、まずそれまでなかった「経営理念」を制定しました。
「社員への資格取得奨励」も積極的に行いました。
最初は、誰かがやればいいという思いだった社員たちですが、一人二人と資格を取得する人があらわれ、それが個人の評価につながり会社の業績も変わってきたことを感じることで、多くの社員が資格取得を目指すようになったと言います。
今では、約9割の社員が何らかの資格を取得するまでに成長しています。
もう一つ、ISO9001の認定取得にも乗り出しました。
ISO9001は、品質やサービスの向上を維持するためのシステム作りに取り組んでいる企業を認証するものです。
認証取得への取り組みで社内のルールを明確にし、品質を保っていこうという考えでした。解体業の企業が取得することは珍しいと言います。
平成23年2月に取得。解体業の企業がISO9001の認定を取得することは珍しい事だと言います。
桑原組では、今、新しいビジネス展開を進めています。
キーワードは「更地化への付加価値」。他の解体業者より、さらに進んだサービスを提供していこうという考えです。
その一つが、土壌汚染対策。更地化した土地に汚染の問題がある際、その汚染状況や予算、工期などを検討した上で、対策案を提案していきます。
それらの工事でも一貫しているのは、安全・環境への配慮。大規模な中、緻密な作業が行われています。より質の高い状態となった更地で、また、一つ、新しい街づくりが始まっていきます。
今、もう一歩進んだ事業展開も始めています。「ワンストップ更地化サービス」です。
解体から生まれる更地に、土壌対策など『品質』という付加価値をつけるとともに、更地となった土地の『活用方法を提案』していこうというサービスです。環境リスクマネジメント部を立ち上げ、営業展開を始めています。
桑原明夫社長は言います。「将来、国際宇宙ステーションの解体が必要となった時、手をあげられる会社でありたい」と。
狭い敷地で行われる日本の解体技術は世界でもトップレベルと言われており、決して夢物語ではないのかもしれません。
また、解体技術に関する研究機関などがあってもよいと考えています。「誰かがやるのであれば、自分がやるという姿勢で望みたい。」さらなる発展を目指しています。
会社名 | 株式会社桑原組 |
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業種 | 建設業、不動産業,物品賃貸業 |
事業内容 | コンクリート建築物解体、とび・土工、土木工事一式、環境リスク対策(土壌汚染、アスベスト、ダイオキシン類対策)、不動産遊休地の開発提案、無印良品の家建築・販売、リノベーション工事、産業廃棄物処理、不動産賃貸、空き家対策 |
従業員数 | 49人 |
年商 | 22億円 |
所在地 | 本社 〒733-0812 広島市西区己斐本町3丁目17-24 東京オフィス 〒107-0061東京都港区北青山2-7-13プラセオ青山ビル3階 九州支店 〒812-0008 福岡市博多区東光2丁目8番7号 湯来リサイクルパーク 〒738-0511 広島市佐伯区湯来町大字葛原字南郷三杭10319番9 無印良品の家 広島西店 〒733-0036 広島市西区観音新町3丁目8-19 |
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