2015.08.09 O.A.
熱心努力の人間力で時代を切り拓く
たくさん並ぶ木製の型。穴が空いていたり、クッションが貼ってあったり。これは、段ボール製造に使用する木型です。この木型をローラーに取り付け、型を抜き、複雑な段ボールが製造されていきます。
この段ボールを作っているのは、広島市中区にある株式会社桐原容器工業所。明治33年に創業し、「熱心努力」を企業理念として成長を続ける老舗企業です。
主にセメントパウダーの輸送に使う「樽」の製造から始まり、紙袋、ポリエチレン袋へと扱う製品は変わりながらも一貫して包装容器を手がけています。現在は、段ボールを主力製品とした製造が行われています。
約1兆5千億円という大きな市場規模をもつ段ボール業界の中、桐原容器は、加工率が高く特殊な技術のいる「大型製品」「形状包装」の提案を行うなど、独自の製品づくりを行っています。
例えば、桐原容器オリジナルの自動車バンパー用段ボールケース。複雑に加工された1枚の平らなシートは、組み立てると、ただの四角形ではなく、複雑な形の梱包資材になります。
普通の形の製品はもちろん、県内では、他に扱える企業がないような「大型」製品や特注品も扱い、1つのラインで1日に様々な製品が作られる工場内では、機動力溢れる製品作りが行われています。
段ボール製造の課程は「原紙の製造」、3枚の段ボール原紙を張り合わせる「段ボールシートの製造」、そして、箱を作る「製函」という3つの行程があります。
大手企業はこの全てを手がけますが、地場企業の場合、出来上がったシートを購入して、最後の「製函」だけを手がけるのがほとんど。しかし、桐原容器は「段ボールシート製造」から「製函」を手がけるという、あまりないやり方を行っています。
「段ボールシート製造」では、製品によって紙質・形状・糊量などを変えながら作業を行います。こうした体制が、多様なニーズに応える製品づくりを支えています。
4代目となる桐原社長は「『おもしろさ』というのは、とても大事だと考えています。お客様からいただいた提案、社員が考え出した案…。それらを設計・開発していくことの『おもしろさ』を感じられるような製品を我が社では作り出してきたと思います。」と言います。
特殊な製品を扱うことが多い桐原容器。輸送中、ちょっとした振動により製品が揺れ、それが「壊れ」の原因となるので、設計・開発においては、製品が揺れないようにサイズや切り込みの形状などを1㎜単位での試行錯誤を続けています。
特注で段ボール箱を発注した広島市内の菓子会社・社長は、段ボールには、大切な商品を守ってくれる大事な役目があることに気づいたと言います。
「熱心努力」の理念のもと、生み出される桐原容器の梱包資材により、地元産業の商品輸送が守られています。
桐原容器では、近年、年配者の退職が続き、若い社員が増えました。世代交代の時期を迎えています。そんな中、就任5年目の桐原社長は、2年前には工場兼食堂棟を新設。現在、新しい倉庫を建設しています。
「明るくて、きれいで、気持ちの良い職場の方が、仕事が楽しくできるような気がしています。会社に来ることが楽しくなるような環境を整えてあげたい。」という思いからです。
新しくなった食堂には、昼、多くの社員が集まります。また、月に1度、全員が集うミーティングも行われます。顔を合わせ、お互いを知ることで生まれる人間関係…社員ひとりひとりのつながりが、お互いを助け合う職場環境を生み、社員の熱心努力の源になっているのです。
「今はまだ小さな芽のような若い社員達がすくすくと育ち、立派な木になってきたとき、桐原容器も、もっと社会の中で必要とされる会社になっているのではと、とても期待しています。」と桐原社長は語ります。
会社名 | 株式会社桐原容器工業所 |
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業種 | 製造業 |
事業内容 | 包装梱包容器の製造 ◆段ボール事業部 段ボール…段ボール箱、段ボール製包装資材 ◆製袋事業部 ポリエチレン製品…ポリエチレン重袋、特殊フィルム クラフト紙袋…樹脂原料用紙袋、化学薬品用紙袋、食品添加物用紙袋 |
代表者 | 代表取締役社長 桐原真一郎 |
従業員数 | 66名 |
年商 | 28億円(平成26年度) |
所在地 | 〒730-0847 広島市中区舟入南4丁目1-11 |
お問い合わせ | 代表:TEL 082-231-9431 FAX 082-292-2553 段ボール:TEL 082-231-8686 FAX 082-292-2584 |
ホームページ | http://kiriharayoki.co.jp |
メールアドレス | kiriyoki@nifty.com |