広島地域 8ch

毎週土曜日 朝11時35分放送(土曜日 深夜再放送中)

独自の価値を創造する企業をテレビ新広島とTSSプロダクションが総力取材

放送内容 過去に放送した番組をご覧ください。

2020.07.26 O.A.

最新技術と伝統のものづくり 社員全員で夢をつなぐ

トーヨーエイテック株式会社
3つの事業を持つ企業

広島市南区にある、マツダ宇品工場。
その構内にあるトーヨーエイテック株式会社は
工作機械を中心に、3つの事業を展開する企業。

エンジンや、変速機の部品を製造する自動車部品事業。
東広島工場を中心拠点に、海外のグループ企業で、
グローバルに生産を行っています。

プレス金型やドリルといった、工具の表面をコーティングし、
耐摩耗性を向上させる表面処理事業。
心臓の冠動脈(かんどうみゃく)などを支える
「ステント」の製造で、医療分野にも進出しています。

そして主力となるのが、工作機械事業。
自動車の歯車や、エアコンの金属部品を加工する、
[内面研削盤(ないめんけんさくばん)]の、製造・販売をしています。

内面研削盤(ないめんけんさくばん)とは?

[内面研削盤]とは金属・セラミックス部品の内径を加工する加工機械。
ダイヤモンドやセラミックスを固めた砥石で加工します。
回転数が低いと研削面が荒れ、高すぎると砥石が割れるという現象を回避するため、
ホイールヘッドと呼ばれる独自のスピンドルで切り込み速度と回転数を制御しています。

トーヨーエイテックの[内面研削盤]は、40か国以上の国で使用され、
「内研(ないけん)のTOYO」と呼ばれるほどの、高評価となっています。

沿革

トーヨーエイテックの始まりは、マツダの前身、東洋工業。

昭和十五年、自社用に内面研削盤を開発した東洋工業は、
昭和二十五年7月26日、社外にも販売するべく、
内面研削盤の販売代理店、「汎栄機械」を設立。

平成元年2月10日、分社独立して卜-ヨ-エイテックに。

令和2年、70周年を迎えました。

設計・製造・検査

新たな開発設備は、設計段階から、
設計・営業・製造といった主要メンバーを集めてミーティングを行います。

高精度な工作機械部品を製造するのは、
温度およそ20度、湿度60%以下の恒温室。

加工された工作機械の部品は、複数の検査工程で、徹底して品質を管理。

ユーザーが、歯車などの工作物で高度な研削加工を要望する中、
課題をクリアした時に、
『トーヨーさんは最後まで諦めないね』という言葉をもらったことがあるそうです。
こうしたユーザーの反応が、次の商談に繋がっていった時に
喜びを感じると言います。

期待に応える企業で有り続ける、
それがトーヨーエイテックの求める、理想の姿です。

1/10000ミリ単位の世界

期待に応えるために、精度が確保できない部品の加工を、
匠の技を持つ社員が、手動で加工をしています。
その精度はなんと、1/10000ミリ。

さらに内面研削を行うための砥石にブレが生じないように、
砥石を回転させるホイールヘッドの主軸が通る部分を研いで、
機械加工で出来た目を整えます。
その主軸とのはめ合わせの精度は、1/1000ミリ単位。
匠の技を持つ社員は、1/10000ミリレベルで調整していきます。

こうした技術がトーヨーエイテックの下支えとなっているのです。

技能を伝承する

ものづくりの技能を伝承する。
そのために、教育部門、「技能育成塾」を設立。
新入社員は入社後、9月一杯まで、ここで基本技能を学びます。
でも、技能伝承だけが目的ではありません。
社員同士のつながりを醸成する、別の目的もありました。
将来的に発生しうる、課題・問題に対して、相談が出来るよう、
同期の社員とのつながりを持つ。
トーヨーエイテックは、社員同士のつながりを重視する企業なのです。

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期待に応え続けるために


ものづくりの課題に応えるトーヨーエイテック。
ポイントは『期待に応え続けるために』としてみた。

市田社長に大切にしていることを伺った。
工作機械においても特に
高精度に加工する内面研削盤が主力で、
更に自動車部品の製造、部品の機能を高める表面処理と
お客様の期待の先の先まで応えられるようにこだわりの3事業で構成している。

工作機械メーカーは今や高精度な機械を売るだけでなく、
ユーザーのものづくりに応えるために制御するソフトと
それを効果的に動かすインタフェースや
加工データベースを装備することが必要となる。
そしてそれを使いこなしていて課題を解決する
ソリューション能力が必要とされる。
優れたハード、機能的なソフト、それを使い考えていくノウハウによって、
いつも選んでもらえる会社でありたいとのことだった。
 
市田社長にこれからの考えを聞くと、
究極に“設計寸法の公差(品質を確保する、加工の許容範囲)なしで、
常に狙い通りの加工ができること”
ができるように目指すことだそうだ。
設計寸法には必ず公差という一定の余裕がある。
これをできる限り狭くできれば組み立てた装置は
設計通りの性能を安定して発揮することができる。
今も十分な範囲にあるがまだまだ究極とは言えない。

回転体は回転軸と軸受けで構成される。
円筒加工部品を加工し組立てそして動かすためには、
双方が究極にマッチングしないと不具合が生じる。
高精度なものを作るだけでは成立せず“ばらつきを無くす”ことが重要となる。
トーヨーエイテックは今までもこれからもこの課題にこだわりつづける。

「期待に応えるために」

激しく変わる世界情勢や自動車市場、
多品種少量に対応する新しい加工方法にあっても、
現在の技術・技能を高め、次の技術開発をお客様の「期待に応えるために」
トーヨーエイテックが一層発展することに期待したい。
企業情報
会社名

トーヨーエイテック株式会社

業種製造業
事業内容工作機械事業
 工作機械 半導体・太陽電池・パワー半導体・LED関連用機器、
 工作機械用数値制御機器などの製造・販売
表面処理事業
 ハードコーティングの受託加工、工具、金型などの製造・販売
自動車部品事業
 自動車部品などの製造・販売
代表者代表取締役社長 市田 雅彦
所在地広島県広島市南区宇品東5丁目3番38号
お問い合わせ082-252-5212
ホームページwww.toyo-at.co.jp