他社製品と明確に差別化できる独自製品づくりに挑む、靴下製造業の㈱コーポレーションパールスター。着目したのは、「機能性のある靴下」。糖尿病患者からの要望に応えた「冷えない靴下」を始め、 視覚障害者用の「色のわかる靴下」など製品開発の試行錯誤を繰り返すなか、「転倒予防靴下」の開発に着手する。
試作品を持って訪ねたのが足関節の専門家・広島大学の浦辺教授。この出会いによってアイデアは一気に現実のものとなる。

ついに完成した「転倒予防くつ下」は、特殊な編み型を組み合わせ足を上げると（遊脚中）つま先が反りあがる。 それにより、すり足や足をひきずって歩く高齢者が、わずかな段差につまづき転倒することを防ぐことに成功。 脳梗塞などの後遺症による半身マヒ患者への臨床実験も施され、歩行をサポートする装具としての効果を発揮した。 医療用装具でありながら、脱着が簡単な日用品であることが評価されている。
「誰かの役に立てる商品を開発する」という高い企業理念により完成したこの商品は、現在全国から注目される商品となり、 この会社の経営を牽引する「知的財産」となっている。